6:森の魔女
「……ふぅん。」
「そんなわけで、牙将ってのをやっつけるために明日森の奥に行くつもりなんだ」
とりあえず落ち着いて、席につけられて事情を話した。少女は半信半疑、といった様子で聞いていた。
少女はため息をついた。呆れたように。
「まず言わせてもらうけど、人の家に勝手に入っちゃダメじゃない。」
「はい……」
「分からず入っちゃっても、分かった時点でとっとと出るべきよ。分かる?」
「ごもっともです……」
ぐうの音どころか一音も出ない正論に、エルディスは小さくなった。ごもっともである。
「そのうえで、家主に会ったらちゃんと謝るものよ。わかってる?」
「申し訳ありません……」
しゅんとしながら心の底から謝罪する様子に、少女はまたため息をついて、「まあいいわ」、と額に手を当てた。
「それで?どうしてこんなとこ来たの?あの村の奴らになんか言われたの?」
「昼間、ブラックスネークを討伐したときに君を見かけたから……なにかあるのかなって」
「……あー、見られてたのね」
「村の人からは何も聞いてないよ」
少女は考え込む様子を見せる。その間に、蜘蛛のような生物がちょこちょことやってきて、水をテーブルに二つ置いて、ぺこりと一礼をした。
「……この子は?魔物だよね?」
「使い魔よ。アタシの使い魔。アタシは魔法使い……あいつらから言わせれば、魔女ってやつなのよ」
「へぇー」
エルディスは蜘蛛の使い魔の方を見ると、感心した目を向けた。蜘蛛の使い魔はまた一礼をして、奥へ去っていった。
「……怖がらないのね」
「まさか。いい子だなーとは思うけどさ」
「……」
水を一口。少しの間、静かな間が流れた。
朝。エルディスがまだ帰ってきていないことに気が付いたディータは首を傾げた。
「剣は持ってったようだが……どうしたんだ……?」
エルディスが置いて行ったマントを持ちつつ、建屋から出る。村長がちょうどこちらに向かっていたか、鉢会う。
「おお、ディータ殿、おはようございますじゃ。勇者殿は…?」
「夜に散歩に行って行きっぱなしだ。見てないか?」
「いえ……」
しかし、ふうむ、と何か心当たりのある様子を見せる村長にディータは首を傾げた。
「どうしたんだ?」
「いえ……いえ、もしかしたら勇者殿は魔女に気が付いたのやもしれぬのじゃ」
「魔女?」
「ええ、森に住居を構える魔女が居るのですじゃ」
「……じゃあ、そろそろお暇するよ」
一方、エルディスは少女のもとから村に行こうとしていた。少女は苦笑いすると。
「……フィル」
「え?」
「フィル・フラムリボン。アタシの名前。」
少女は――――フィルは名乗った。何を思ったかはわからない。
エルディスは優しく笑う。
「フィル、だね。僕はエルディス・エアリアル。」
「そう、エル。あなたなら、まあ……ちゃんと扉を叩いてくれたら、また来てもいいわ」
その声に、フィルはふい、と顔をそむけた。
「あはは……ありがとう。うん、じゃあ、また遊びに来るよ」
そう言って、扉の方へ。
しかし、扉を開けた瞬間。目の前には、大きな牛のような魔物が――――
エルディスの意識は、そこで途切れた
「そんなわけで、牙将ってのをやっつけるために明日森の奥に行くつもりなんだ」
とりあえず落ち着いて、席につけられて事情を話した。少女は半信半疑、といった様子で聞いていた。
少女はため息をついた。呆れたように。
「まず言わせてもらうけど、人の家に勝手に入っちゃダメじゃない。」
「はい……」
「分からず入っちゃっても、分かった時点でとっとと出るべきよ。分かる?」
「ごもっともです……」
ぐうの音どころか一音も出ない正論に、エルディスは小さくなった。ごもっともである。
「そのうえで、家主に会ったらちゃんと謝るものよ。わかってる?」
「申し訳ありません……」
しゅんとしながら心の底から謝罪する様子に、少女はまたため息をついて、「まあいいわ」、と額に手を当てた。
「それで?どうしてこんなとこ来たの?あの村の奴らになんか言われたの?」
「昼間、ブラックスネークを討伐したときに君を見かけたから……なにかあるのかなって」
「……あー、見られてたのね」
「村の人からは何も聞いてないよ」
少女は考え込む様子を見せる。その間に、蜘蛛のような生物がちょこちょことやってきて、水をテーブルに二つ置いて、ぺこりと一礼をした。
「……この子は?魔物だよね?」
「使い魔よ。アタシの使い魔。アタシは魔法使い……あいつらから言わせれば、魔女ってやつなのよ」
「へぇー」
エルディスは蜘蛛の使い魔の方を見ると、感心した目を向けた。蜘蛛の使い魔はまた一礼をして、奥へ去っていった。
「……怖がらないのね」
「まさか。いい子だなーとは思うけどさ」
「……」
水を一口。少しの間、静かな間が流れた。
朝。エルディスがまだ帰ってきていないことに気が付いたディータは首を傾げた。
「剣は持ってったようだが……どうしたんだ……?」
エルディスが置いて行ったマントを持ちつつ、建屋から出る。村長がちょうどこちらに向かっていたか、鉢会う。
「おお、ディータ殿、おはようございますじゃ。勇者殿は…?」
「夜に散歩に行って行きっぱなしだ。見てないか?」
「いえ……」
しかし、ふうむ、と何か心当たりのある様子を見せる村長にディータは首を傾げた。
「どうしたんだ?」
「いえ……いえ、もしかしたら勇者殿は魔女に気が付いたのやもしれぬのじゃ」
「魔女?」
「ええ、森に住居を構える魔女が居るのですじゃ」
「……じゃあ、そろそろお暇するよ」
一方、エルディスは少女のもとから村に行こうとしていた。少女は苦笑いすると。
「……フィル」
「え?」
「フィル・フラムリボン。アタシの名前。」
少女は――――フィルは名乗った。何を思ったかはわからない。
エルディスは優しく笑う。
「フィル、だね。僕はエルディス・エアリアル。」
「そう、エル。あなたなら、まあ……ちゃんと扉を叩いてくれたら、また来てもいいわ」
その声に、フィルはふい、と顔をそむけた。
「あはは……ありがとう。うん、じゃあ、また遊びに来るよ」
そう言って、扉の方へ。
しかし、扉を開けた瞬間。目の前には、大きな牛のような魔物が――――
エルディスの意識は、そこで途切れた