鳥の記録
イェソドという 記録番がいました
それは色んな姿に形を変えては 生命の記録を残していました
ある日イェソドは ある小さな村の記録を残そうと決めます
さっそく村近くの森に降り立ち 人間の男の姿になりました
その方が間近で記録できると 考えたからです
しかし人間の身体は 脆く柔いもの
大きな獣に襲われ 大怪我をしてしまいました
困り果てた時 一人の少女に出会いました
少女に助けられたイェソドは しばらく村で過ごすことになりました
よそ者の男にも 村人達は優しくしてくれました
イェソドは生まれて初めて 人の温かさに触れました
とても居心地が良かったのでしょう
記録を残しつつ 村の住人として暮らすようになりました
──時が経つにつれて 村の人口は減少します
ついには イェソドと少女だけになりました
少女も大きくなり女性に やがて老婆になりました
イェソドは老婆の最期を 村の終わりを見届けました
長年の交流で 人の心が芽生えたイェソドは
深い悲しみに暮れました 記録を残すのもやめました
──これじゃ使い物にならない そう考えた生命の樹は
イェソドから 村の記録を奪いました
奪われていく記録を 必死に取り戻そうと
イェソドは手を伸ばしましたが
ほとんどの記録を 失ってしまいました
唯一 手元に残ったものは 少女の姿と名前だけ
この少女は何者か どこで会ったのか
記録を奪われたイェソドには 何も分かりません
だけど何か 大事なものを失った気がしました
これらだけは 忘れてはいけない気がしました
その日を堺に イェソドは少女の姿になりました
いつしか 本当の名を隠して
ツツユビと名乗るようになりましたとさ
それは色んな姿に形を変えては 生命の記録を残していました
ある日イェソドは ある小さな村の記録を残そうと決めます
さっそく村近くの森に降り立ち 人間の男の姿になりました
その方が間近で記録できると 考えたからです
しかし人間の身体は 脆く柔いもの
大きな獣に襲われ 大怪我をしてしまいました
困り果てた時 一人の少女に出会いました
少女に助けられたイェソドは しばらく村で過ごすことになりました
よそ者の男にも 村人達は優しくしてくれました
イェソドは生まれて初めて 人の温かさに触れました
とても居心地が良かったのでしょう
記録を残しつつ 村の住人として暮らすようになりました
──時が経つにつれて 村の人口は減少します
ついには イェソドと少女だけになりました
少女も大きくなり女性に やがて老婆になりました
イェソドは老婆の最期を 村の終わりを見届けました
長年の交流で 人の心が芽生えたイェソドは
深い悲しみに暮れました 記録を残すのもやめました
──これじゃ使い物にならない そう考えた生命の樹は
イェソドから 村の記録を奪いました
奪われていく記録を 必死に取り戻そうと
イェソドは手を伸ばしましたが
ほとんどの記録を 失ってしまいました
唯一 手元に残ったものは 少女の姿と名前だけ
この少女は何者か どこで会ったのか
記録を奪われたイェソドには 何も分かりません
だけど何か 大事なものを失った気がしました
これらだけは 忘れてはいけない気がしました
その日を堺に イェソドは少女の姿になりました
いつしか 本当の名を隠して
ツツユビと名乗るようになりましたとさ