きれいなはねのデザイナー 5
いつもとちがう ていねいなことばつかい
それだけで フィルマがおこっていることが わかります。
けれども カインはそんなことよりも
めのまえの にせものの はねたちが きになってしかたありません。
「どうして開けてしまったんですか、カイン。
私と約束、しましたよね。」
また うしろにたっている フィルマがといかけてきます。
こえにいつもの あたたかさが ありません。
だけれど カインはそんなことなんか どうでもよくなるほど
かざられている きんのいとでつくられた にせもののはねが
めざわりで どうしようも ありません。
「カイン、貴方を……君を責め立てたいんじゃないんだ。
言い訳があるなら言ってくれて構わない。……話をしよう?」
「……これはぜんぶ あなたがつくった ものなんですか?」
あんなにあこがれていた すてきなひとが しつぼうしています。
ほんとうだったら ひどくこうかい していたはずでした。
けれども。
「あなたは はねをもたない しゅぞくなんですか?」
ふりむいたさきにいたフィルマのせに いつものようなはねはありません。
それがすべてのしょうめいでした。
フィルマは はねをもたないものだったのです。

かれのひょうじょうは ひどくかなしそうでした。
だけど もうそんなひょうじょうなんて どうだっていいのです。
かれは いいえ これは ひどい うそつきでした。
はねをもたない いきもののぶんざいで
はねをもつものの ふりをして いきていたのです。
それはとうてい ゆるされることではありませんでした。
「しんじられない あなたは いいえ おまえは……」
「カイン、まずは話を──」
「はねなしと はなすことなんてない!」
いいわけでもしようというのか それとも ゆるしをこうつもりなのか。
よりいっそう かなしそうなかおを そいつは していましたが、
はねなしのことばなど きくかちもありません。
いま カインがすべきことは おろかものの はいせきだけ。
ちかくの テーブルにおいてあった はさみをカインはてにとりました。

「カイン!やめて、そんなことしてはいけない!」
「うるさい うそつきめ! おまえみたいなやつは いきていてはいけないんだ!」
「ああ、駄目だ、やめて、違うんだ!違う、まだ話し合える彼はまだ──」
きんのやいばが ふりおろされます。
「殺さないでくれ、プレディカドール!」
ふかく きんのやいばが カインのむねをつらぬいていました。
「……なん、で、おうさまが、ここに……?」
「少し考えれば分かる事だろうに、此れだから翅持ち共は。
本当に哀れな生き物だよ、お前たちは。」
くずれおちる カインを つめたいめで みおろしていたのは、
あのうつくしいはねをもつ はねもちたちのくにの おうさまでした。
つづく
それだけで フィルマがおこっていることが わかります。
けれども カインはそんなことよりも
めのまえの にせものの はねたちが きになってしかたありません。
「どうして開けてしまったんですか、カイン。
私と約束、しましたよね。」
また うしろにたっている フィルマがといかけてきます。
こえにいつもの あたたかさが ありません。
だけれど カインはそんなことなんか どうでもよくなるほど
かざられている きんのいとでつくられた にせもののはねが
めざわりで どうしようも ありません。
「カイン、貴方を……君を責め立てたいんじゃないんだ。
言い訳があるなら言ってくれて構わない。……話をしよう?」
「……これはぜんぶ あなたがつくった ものなんですか?」
あんなにあこがれていた すてきなひとが しつぼうしています。
ほんとうだったら ひどくこうかい していたはずでした。
けれども。
「あなたは はねをもたない しゅぞくなんですか?」
ふりむいたさきにいたフィルマのせに いつものようなはねはありません。
それがすべてのしょうめいでした。
フィルマは はねをもたないものだったのです。

かれのひょうじょうは ひどくかなしそうでした。
だけど もうそんなひょうじょうなんて どうだっていいのです。
かれは いいえ これは ひどい うそつきでした。
はねをもたない いきもののぶんざいで
はねをもつものの ふりをして いきていたのです。
それはとうてい ゆるされることではありませんでした。
「しんじられない あなたは いいえ おまえは……」
「カイン、まずは話を──」
「はねなしと はなすことなんてない!」
いいわけでもしようというのか それとも ゆるしをこうつもりなのか。
よりいっそう かなしそうなかおを そいつは していましたが、
はねなしのことばなど きくかちもありません。
いま カインがすべきことは おろかものの はいせきだけ。
ちかくの テーブルにおいてあった はさみをカインはてにとりました。

「カイン!やめて、そんなことしてはいけない!」
「うるさい うそつきめ! おまえみたいなやつは いきていてはいけないんだ!」
「ああ、駄目だ、やめて、違うんだ!違う、まだ話し合える彼はまだ──」
きんのやいばが ふりおろされます。
「殺さないでくれ、プレディカドール!」
ふかく きんのやいばが カインのむねをつらぬいていました。
「……なん、で、おうさまが、ここに……?」
「少し考えれば分かる事だろうに、此れだから翅持ち共は。
本当に哀れな生き物だよ、お前たちは。」
くずれおちる カインを つめたいめで みおろしていたのは、
あのうつくしいはねをもつ はねもちたちのくにの おうさまでした。
つづく