Eno.1073 府高木 西三の日記

いよいよ迫る

 遠くに見えてた重苦しくて分厚い雲も、かなり近くまで来た。
 もういくらもしない内に、嵐はこの島を飲み込むだろう。
 とりあえず出来るだけ準備はしたが……。

 ……よく見たら倉庫に1人で食べるのがちょっともったいない料理がいっぱいあるな?

 水はちょっと不安だが、嵐って事は雨水を集める事は出来る筈だ。
 雨水を回収する仕掛けもあるし、煮沸する為の木材もまぁある。
 湿布も作ったし即席医療キットもある。
 流石に2日も3日も続くようなもんじゃないだろうし、長くて1日なら、たぶん大丈夫だ。

 問題は、嵐の中に飛び出す奴がいないかどうか、だが。
 だがそれにしたって、灯りとレインコートと安全靴をしっかり用意して行けば、かなり大丈夫な筈だし。
 もちろん、完全な安全を保障する訳じゃないから、拠点に引き籠ってるのが一番いいんだがな?

 ……なんかこう、風で物が飛んできても防げるような、そんで手が塞がらない感じのものってないものか……。



 ところで。
 あっちの島、離島で釣りをしたら何かデカい魚(古代魚)が釣れたらしい。
 しかもこの大きさで解体の手間が無いようだ。丸ごと食えるのか。
 そしてその生きの良い魚はパーティーのメインディッシュになる事が決まった。
 何かドラゴンのねーさんが食った事があるらしく、美味しかったとの事。
 ほーう?
 嵐の後の楽しみが増えたな。




 問題は。
 あの魚を見て、俺は「あの魚は食えるもの」という前提で考えていた事だ。
 少なくとも俺自身は直接あの魚を見た事は無い筈。
 と言う事は。

 以前にこの島もしくは海域に来た誰かが、持ち帰ったか話をした。
 それを知っていた、と言う事か……?