むかしばなし
「おかーさん! 魔法天使始まるよ!」
娘のめぐは魔法少女に憧れていた
魔法少女の真実を知る私としては、
母さんの事が今も美談として語られる事に嫌気がさしていたが、
そんなこと言えるはずもなくて
めぐも私と同じく魔法が使えたからか、魔法少女ごっこをするようになった
あの子が変わったのは、祖母代わりだった師匠が死んでからだ
誰かがいなくなる事を極端に恐れて、
元々困ってる人を放っておけない性分だったのが悪化していた
……今の私も、人の事は言えないが
めぐは、一部があの時のまま成長してしまった
私が願った通り愛に恵まれた。恵まれすぎてしまった
彼女は純粋過ぎた
これからもそのままでなんて願ってしまった
どうか、あの子の魔法が“殺意”の魔法でありませんように
そう、願ってしまったから
めぐは18歳の時、失踪した
---
「──お前が、噂の殺人鬼か」
めぐの失踪後、医者となって数十年が経ち、
赤いフランベルクを持つ、めぐに似た少女と出会った
めぐが生きていた? それとも子孫?
わからない。けど、その子は私を睨んでいた
「……どうして、僕の獲物を奪った?」
「そこに、生きたいと願う奴がいたからだ」
「こいつを生かしておけば、無関係な奴らが殺される!
それでもいいのか!?」
「……どんなに人を傷つけようと、全員オレが治す」
そう言った直後、その子が見せた表情は、
とっても不器用な笑顔で、めぐだと受け入れてしまった
「…………狂ってる。最高に、狂ってやがる!
気に入ったよ、あんた。名前は?」
「……十五夜。十五夜草の、十五夜だ」
「じゃあ、僕は新月だ。月無き夜のシリアルキラー
そして……あんたの敵だ」
変わり果てためぐを前に、私は何も言えなかった
何があったかも聞けないまま、時だけが過ぎて行った
娘のめぐは魔法少女に憧れていた
魔法少女の真実を知る私としては、
母さんの事が今も美談として語られる事に嫌気がさしていたが、
そんなこと言えるはずもなくて
めぐも私と同じく魔法が使えたからか、魔法少女ごっこをするようになった
あの子が変わったのは、祖母代わりだった師匠が死んでからだ
誰かがいなくなる事を極端に恐れて、
元々困ってる人を放っておけない性分だったのが悪化していた
……今の私も、人の事は言えないが
めぐは、一部があの時のまま成長してしまった
私が願った通り愛に恵まれた。恵まれすぎてしまった
彼女は純粋過ぎた
これからもそのままでなんて願ってしまった
どうか、あの子の魔法が“殺意”の魔法でありませんように
そう、願ってしまったから
めぐは18歳の時、失踪した
---
「──お前が、噂の殺人鬼か」
めぐの失踪後、医者となって数十年が経ち、
赤いフランベルクを持つ、めぐに似た少女と出会った
めぐが生きていた? それとも子孫?
わからない。けど、その子は私を睨んでいた
「……どうして、僕の獲物を奪った?」
「そこに、生きたいと願う奴がいたからだ」
「こいつを生かしておけば、無関係な奴らが殺される!
それでもいいのか!?」
「……どんなに人を傷つけようと、全員オレが治す」
そう言った直後、その子が見せた表情は、
とっても不器用な笑顔で、めぐだと受け入れてしまった
「…………狂ってる。最高に、狂ってやがる!
気に入ったよ、あんた。名前は?」
「……十五夜。十五夜草の、十五夜だ」
「じゃあ、僕は新月だ。月無き夜のシリアルキラー
そして……あんたの敵だ」
変わり果てためぐを前に、私は何も言えなかった
何があったかも聞けないまま、時だけが過ぎて行った