Eno.586 クリア・レインの日記

青年の走り書き

書くこともないし、俺の……いや俺のではないけど
彩色魔法について書こうかな。

物体や景色の持つ色彩イロを元に現象を起こす
其れが《彩色魔法》
効果は皆も知っての通り、火が出たり、水を綺麗にしたり、風を起こしたり
さらに色を組み合わせて効果を発揮する……《極彩色魔法》ってのもある
白と緑で、風力を付与した雲を寝床にしたり―――
あとはまぁ、茶に警戒色系統の色を合わせて土人形ゴーレムの創造とかね。
その全部が、術者の魔力量と力量に左右される、そういう魔法だ。

俺の師匠センセイが使えば、濾過しないで直接真水を出せただろうし
土色だけで拠点も立てれただろうね、俺には無理だけど、才能無いし。

「そ、才能無いんだよ
俺にとってこの魔法は難しすぎる、師匠のお陰で一人前最低限レベルには使えるけどさ」


「俺に向いてるのはむしろ―――」



こっち・・・だ」



《災色魔法》―――戦闘用・・・の魔法
主に獣や魔物の部位を黒単色で構成した奴なんだけど
代わりに魔力の消費量が多いうえ、術者への負荷も大きい
おいそれと常用出来るもんじゃないし、して良いものでもない。

……ハズなんだけど、俺は殆ど魔力を使わずに此れが行使できちゃうんだよね。
師匠センセイが言うには、「普通の人間じゃないのかもね」なんて。

「―――別に、人間じゃないならどうだ、って話じゃないけどさ
だったら―――俺は何なんだろうね?」


二本足で歩く、あの世界で生きていながら魔法に向いていない、色彩の無い生物は
何処から来た、何者なのか。