『災禍』
大きな 大きな竜を見た。
それはとても恐ろしくて、
一瞬のうちに多くのものが飲み込まれていく。
私は 彼にしがみついて目を瞑り、
ただ震えていることしか出来なかった。
私達の住処は 奇跡的に助かったけれど、
その日から何もかもが変わってしまった。
世界も 彼も。
「兄さん…、何が起こったの……?」
「これから…どうなるの?」
…きっと彼にも、わからなかったのだろう。
小さな島の中で、ただ眺めていただけの存在には。
だから、彼は知りに行った。
何が起こったのか、アレは何なのか。
これから世界がどうなるのかを。
私をただ一人、この小さな住処に残して。