きれいなはねのデザイナー 終

『その年で最も美しい翅を持つ者と交流し、
絆を育み、我々が偽らずとも暮らせる世界を作る……なあ、フィルマ。
一体いつになったらお前のこの計画は成功するんだ?』
「……確かに全く成果がない、何時も同じ結果を迎えている。
けれども、これ以外に私たちと彼らの仲を取り持つ術はないだろう?」
『……何度も言っているが翅持ち共は総じて頭が軽い。
翅を輝かせるために知能を犠牲にしているのではないかと疑うほど、
美しい翅を持つものほど思考は短絡的で愚かだ。』
「プレディカドール!翅持ちたちを侮辱するようなことは言ってはいけないと!」
『だが事実だろう。この数百年間、お前が翅持ちでないことを明かした際に
お前を排除しようと襲い掛からなかった翅持ちはいなかったはずだ。
……一体いつまで私は自分の国民を殺さなければならない?』
「私は助けてくれだなんて、殺してくれだなんて頼んでいない!!」
『お前のお得意の糸で拘束するから問題ないと?
捕まえたところでお前を翅無しと認識した奴らが話など聞くはずがない。』
「そんなこと、」
『あるだろう。
我々は奴らが翅無しに対してどこまで残酷になれるか知っているはずだ。
いい加減諦めろ、フィルマ。あれらと私たちは違う生き物なんだ。』
「……諦めたくない。プレディカドール、
君だって国を変えたくてそこまで駆け上がったんじゃないか。
私たちと彼らに何も違いなんてありはしない。」
『違う生き物だ。
私はあの愚かしい者たちの代わりに国を動かす座についてるにすぎない。』
「そんなはずがない!分かり合える、絶対にそうだ!
翅持ちたちは同調思考が強いからひとりでも、
その時最も綺麗な翅をもつ者の考え方さえ変えられれば、
一緒に暮らしていける!」
『……いつまで苦しむつもりなんだ、お前は。』
「みんなが、分かり合えるまで。」
『……はあ、もういい。好きにしろ。
幾千にも積み上がった翅の上でお前の理想が出来上がるのを楽しみに待つとするよ。』
「…………ごめん、プレディカドール。」
『謝るのは夢が形になってからにしろ。』
「……。」
「いつか、絶対……共に暮らせる世界を築いてみせる……。」
「……。」
「それに」
「…………今更、もう引き返せないよプレディカドール。」
