Eno.150 ウオヌマ=ツキジの日記

ツキジの無人島日誌⑤

きなエビにカニ。大嵐のなかの釣りはなかなかの釣果。
しかし目標である幻の魚は釣れませんでした。
吹き荒れる暴風を背にとぼとぼと拠点に帰ってからエリさんに指摘されて気が付いたのですが…。

(わたしの脚がボロボロだーーーーーっ!!)



ちょっと夢中にになってて気が付きませんでした……。
そういえば飛んできた石を脚にぶつけたり海にドボン!なんてこともありましたね…。
結果三か所ほど負傷三積み大きい傷ができてますし海水が染みるのなんの!
傷口に塩を塗る。そんな言葉がありますがまさか我が身で経験することになるとは思いもしませんでした。

(皆さんが見てる…!!我慢しなくちゃ……!!)



「大丈夫」そう伝えて場をしのごうと思いましたが自覚したら滅茶苦茶痛いしそれにそれに…。
あの時わたし言いましたね…困った時は大声をあげて助けを呼ぶって………。

「いでっ!!いでででっ!!
 これではロクにダイオウグソクムシごっこもできません!
 皆さんや資材の無理のない範囲で助けてくださ〜いっ!!」



わあ~っと声を上げて、ありとあらゆる体液で顔をぐちゃぐちゃにして。私は皆さんに助けを求めました。
結果なにかとてもすごい手当目の前で起きた奇跡か魔法みたいな治療を受けてわたしは無事復活するのでした。うぅ…、お手数をおかけしました………。

───

たしがまだ小さかった頃。
転んだり怪我をしたときはすぐに大声で泣いて周囲に助けを求めました。
村の大人たちはすぐに駆け付けてくれてわたしの手当をしてくれました。

それから少し大きくなって、中には私よりも背が低い大人も出てきた頃
今度はわたしがそちらに回る番だと思いました。
わたしをたくさん助けてたくさん愛してくれた。そんな彼らが少しずつ弱り衰え忘れていって。
だからわたしが多少無茶をしても「大丈夫」と強がって皆さんを支えなきゃと思うようになりました。
若いわたしがもっと周囲に呼び掛けて、気を惹かせて、この村がにぎわいを取り戻せるようもっともっと…。

…えへへ。でもわたしはまだ幼すぎたみたい。だってこんなに迷惑かけちゃうんですもの。
でもこの件で改めて思ったんです。例え幼くてもそうでなくても
困った時はすぐに助けを呼び、それを聞いた側に回った時はときはすぐに駆け付ける。
それの繰り返しで人が人を支え、持ちつ持たれつの関係を広げてグループを形成していく。
人が集い共に支えあって生きていく理想の場所をつくるのであれば強がるなんてもっての外だってこと。


(…そのことを思い出せたのは
 もしかすると幻の魚以上の釣果かもしれませんね。)



ダイオウグソクムシみたいに拠点の隅で丸くなり
包帯が巻かれた脚をすり合わせてわたしは思いました。

「…それにしても治療のための道具を3つも使ってしまったのは大問題です。
 これからの貢献で返すことができるといいのですが……。ファイト、わたし。」