Eno.717 天音 空の日記

長い長い嵐の夜

また嵐が来た。前のよりひどい嵐。風が吹いて、雨が降って、雷が鳴って、木が揺れて。その間、ずっとセトおじちゃんといっしょにいた。

おじちゃんは嵐が怖いみたい。平気だって言ってるけど、尻尾が正直だからわかっちゃった。でも言わないよ。怒ってどっか行っちゃったりしたら困るもん。おれだって嵐怖いんだから。

だからおじちゃんが嵐怖いのに気づいてるのはないしょ。おれが怖いからいっしょにいるの。それが1番いいよね。でもおじちゃん、おれか嵐やだねって言った時すっごいにやにやしてたから怖がってあげない。

平気な顔は得意だよ。父さんにだってバレたことないもん。わかんないよね、そうだよね。おれにも尻尾があったら、おじちゃんにもわかったかもね。


おじちゃんは体がおっきいから、膝に乗ってもおっきい。テントみたい。守られてるって感じするね。安心するね。でも座ってるだけだと退屈。手に触ったり背中登ったりして遊ぶと楽しい。おじちゃんも楽しいかもね。笑ってたし。腕にぶら下がったらちょっと慌てておもしろかった。

そう言えば、なんでか削っちゃったんだよね、爪。しかも片っぽだけ。爪研ぎ?猫みたいだね。尖ってるほうがかっこいいけど、丸いほうが触りやすい。おじちゃんの指は硬くて不思議。手のひらはぷにぷにしてる。肉球ってこんな感じかな。

おじちゃんが料理する時もそばにいたし、おれが水作る時もそばにいてもらった。運ぶの手伝ってもらったらすぐ終わっちゃった。すごいね。おれもおじちゃんみたいにおっきくて力持ちになりたいな。


トトおじさんがびしょ濡れで帰って来た。なんで?聞いてもわかんなかった。なんかどっか行こうとするし。止めたけど。びみょーに会話できてない感じ。何考えてるかわかんない感じ。どうしちゃったんだろう。心配。

よくわかんないけどおじちゃんに布もらって拭いた。拭いてる途中で気づいたけど、これおじちゃんの服だよね。いいの?いいのかなぁ…拭いたけど。晴れたら干そうね。おじさんの服もいっしょにね。

着替えて寝よって言ったけどやっぱりどっか行こうとする。なんで?いっつも寝る時おじちゃん布団にしてるじゃん。…おれがいるせいかな

おじちゃんにまとめて抱っこされたから、寝るぞ!ってことにして寝た。寝たふりだったけどいつの間にか寝てた。明日は晴れたらいいね。元気になったらいいね。おやすみ。