Eno.998 《蛇神様》ノイの日記

蛇の独白33

というか、いつになったら精神感応テレパシーは再び使えるようになるのだろうか。
遭難してからもう、それなりに生き延びて来ていると思うのだが……。

脱出する方法を探して砂浜から今一度海を見渡すと、この孤島シマより規模が小さい離れ小島と、その近くに恐らく嵐の被害を受けたのだろう無人の船が見えた。
泳いで行くには遠いし、そもそもこの身体では間違いなく途中で力尽きるな……。

橋でも架けてみるか? ……と考えた時、ふとある冒険者一行パーティの通り名を思い出した。

――『ひと繋ぎの架け橋』。

世界の敵だった我らを悉く討ち倒し、世界に再び平和を齎した者たち。
あの連中は現在いまも冒険業の中、己が生き様を謳歌しているのだろうか。
……いや、今更分かり切った事か。その名を知らぬ者はもはやほとんど居らぬからな。