魔王様の真相を側近の口から聞く。
何で笑ってんだろうな、あいつ。
ずっと隣にいて何もできねえって、相当だぜ。
生まれたばかりのお姫様を、
そりに乗せて凱旋した日のことを思い出した。
魔族も人間も変わりゃしねえ。
いや、俺の知る限り人間の方がくだらなかったか。
とにかくあのお方が守りてえのは
あの日のような暖かい陽気に違いねえんだがな。
船の足回りを組み上げる。
エゾデスに辿り着くまでは停戦。
はっきりとわかる。
俺にできることはねえ。
俺は輸送隊。
ただこの船を速く着実に導くだけ。
もともとさ、速く走れさえすれば
誰が滅びようとどうでもいいんだ。
だから災厄の獣とやらは勇者に倒されればいい。
それで魔王様の守りたいものが、
守れるならな。
きっと主は納得しないぜ。
あれは、あれでお人よしだ。