Eno.17 神速のバンバの日記

 

 
魔王様の真相を側近の口から聞く。

何で笑ってんだろうな、あいつ。

ずっと隣にいて何もできねえって、相当だぜ。





生まれたばかりのお姫様を、

そりに乗せて凱旋した日のことを思い出した。

魔族も人間も変わりゃしねえ。

いや、俺の知る限り人間の方がくだらなかったか。

とにかくあのお方が守りてえのは

あの日のような暖かい陽気に違いねえんだがな。





船の足回りを組み上げる。

エゾデスに辿り着くまでは停戦。





はっきりとわかる。

俺にできることはねえ。

俺は輸送隊。

ただこの船を速く着実に導くだけ。





もともとさ、速く走れさえすれば

誰が滅びようとどうでもいいんだ。




だから災厄の獣とやらは勇者に倒されればいい。

それで魔王様の守りたいものが、

守れるならな。





きっと主は納得しないぜ。

あれは、あれでお人よしだ。