窓辺のヘリテージ
大きなお風呂も、豪華な料理も、献身的な従者も。
故郷には、何もかもが揃っている。
何もかもが揃っていて、
何もない。
……このシマには。
大きなお風呂ができた。
皆で少しずつ資材を集めて、生活をより良くしようと苦労して、
そうして遂に、広くてくつろげる立派な岩風呂が完成した。
豪華な料理ができた。
木の実や海藻で細々と食いつないでいたことが、もはや懐かしい。
知恵をふりしぼって、ラーメンや、パンケーキまでが食べられるようになった。
献身的な従者は、……いない。
見方を変えれば、いるのかもしれない。
でも、従者なんかじゃなくて。
少なくとも、監視役なんかでは絶対になくて。
それに、皆は。
私のことを、……友人だと言ってくれた。
あと2日。
救助が来るにしても、来ないにしても。
あの船に気付いてもらえるにしても、そうはならず海に沈むとしても。
……あと、2日。
ああ。

故郷には、何もかもが揃っている。
何もかもが揃っていて、
何もない。
……このシマには。
大きなお風呂ができた。
皆で少しずつ資材を集めて、生活をより良くしようと苦労して、
そうして遂に、広くてくつろげる立派な岩風呂が完成した。
豪華な料理ができた。
木の実や海藻で細々と食いつないでいたことが、もはや懐かしい。
知恵をふりしぼって、ラーメンや、パンケーキまでが食べられるようになった。
献身的な従者は、……いない。
見方を変えれば、いるのかもしれない。
でも、従者なんかじゃなくて。
少なくとも、監視役なんかでは絶対になくて。
それに、皆は。
私のことを、……友人だと言ってくれた。
あと2日。
救助が来るにしても、来ないにしても。
あの船に気付いてもらえるにしても、そうはならず海に沈むとしても。
……あと、2日。
ああ。

「……かえりたく、……ないな……」