Eno.730 蘢 龘子の日記

願いの果て、掴み取るモノ『たのしくあれ!』

「みんなで何かをするって、やっぱり難しいですね」



夜がだんだん深まる島の浜辺で一人つぶやく。

わたしはどらごん、ヒトとヒト以外とが分かり合うために生まれた新しい龍。
調和の龍。縁の龍。龍の行く末を担うもの。

だけど……


「責任もあるですからね」



闘技の世界フラウィウスでも、その言葉の意味を真意を探していましたね。
立派な龍として認められる為に。
立派とは何かを探すために。修行の旅へ行った先。

得られた一つの回答は、責任を果たすことだったから。
出会った『天使』様に教えられたことです。


「考えちゃうですよ」


「やっぱり、わたしは――真に公平にはなれないのです」


『物語』の友達にも言われましたね。
感情ある限り、真に公平にはなれないのだと。
――誰かのやりたいことよりも、誰かのやりたいことを優先したし。
みんなの命を優先した。優先順位をつけた。

……きっと、悪いことではないし。
その上で目指そうと提案もしたけれども。

「それでも……みんなが幸せになるために。一番できてたのは――きっと」



たのしいこと全部やりたい。
みんなとならできる。


ゆきみちゃんが伝う言葉がわたしに響きます。

だって、わたしも大きな挫折を味わったとき、『結晶竜』の友達に助けられて
ようやく気付いたことだから。

「願い、祈り…そして自ら引き寄せて、『縁』を手繰り寄せる」


「それは、運命を掴み取る力



あのときはただ一匹のどらごん。
全てを捨てる覚悟で、全てを得るために挑みました。

そして掴み取ることもできました。

あの世界で紡いだ、とっても大事な…大切な、『お姉さん』との縁。
捨てずにいられて今のわたしがあるから。


「あのときは、紙一重でしたけど」



ちょっと感傷に浸ってしまいますね。

だけどいまは――ひとりじゃなくて、みんなでできる。


「なら、全力で応援しなきゃです」


「みんなで『たのしく』あるためにっ」



たのしい『世界の種』の友達じゃないけど――わたしも真似しちゃおう!

『みんなたのしくあれーっ!』



嵐が去って、雲一つ無い夜空。
キラキラ光る星々にひとつ、そんな願い事。

引き寄せて、手繰り寄せ。……みんなで掴み取ろう!