闘鴨の書:十二の巻
この島での生活が始まってからはや5日というところか。
長いようでもあり、短いようでもある。
初日と比べ、拠点ははるかに住みやすい場所となった。驚くべきことだ。
今では自力での脱出方法を探さんと、造船計画が立つまでに至っている。
造船に向けた準備の為、陽が沈んでからは慌ただしかったが……今は皆、一時の休憩を取っているところだろう。
先ほどまでの忙しなさが嘘のように、静かな夜だ。
しばらくすれば、また造船作業が始まることとなろう。
しばしの休息の刻。また少し、筆を執ることとする。
*
拠点の隅の箱の中に隠れて過ごしている者が居る。
おそらくは人の子供。……このような書き方をするのは、この島には会話が成せるが人の姿をしていない者もいるからだ。
理由があるのか、ただただ内気なだけなのかは分からぬが、箱の下の姿を見たことは無い。無理に見る必要もないだろう。
隠れて過ごしていては不便ではないかとも思ったが、時折ペンギンや、オーコ殿が彼の者の元へ行くのが見える。楽しくやれていそうなら何よりだ。
この生活の中でとりわけ目立つのは……マツド殿であろう。
最初は働き者なのだと思ったが……今では働きすぎだと思っている。気が付けば限界まで伐採をしているように思う。
働くことに生きがいを感じているのか、働かねば生きられなくなってしまったのか……何にせよ、その為に生命を削ってはいないかが心配だ。
いや、削っている、確実に。
……異常労働のことばかりを書き連ねそうになるが、彼もアヒルバトルへの強い情熱を持っているのだろう。
バトルを観戦している時も、バトルを行う時も、バトルフィールドの障害物となっている時も、熱を込めて楽しんでいる姿が見られる。
本来は、労働以上にアヒルバトルのことが好きなのではないだろうか……とも、思うことがある。
以前にも記録に書いた少年――タツト殿のことだが、彼はいわゆる二重人格……とでも言うのだろうか。
普段はアヒルバトルに対する話には困惑を返すことが多い、あまりアヒルバトルのことを知らぬ様子であるのだが、もう1人の人格が現れれば、途端にアヒルバトルに対して饒舌になり、他のバトラーに対して挑発的な言動をするようになる。
……このバトラーとしての人格が現れている間に少し話を行った。
彼はまだ自身のアヒルを見つけられていないらしいが……その態度からすれば、相応に実力に自信があるのだろう。
彼のアヒルが見つかった暁には、一度手合わせをしてみたいところだ。
*
遭難生活の日々は慌ただしく、しかし賑やかで、ここには書ききれぬほどの出来事がある。
伝説のアヒル島に流された…ということも含め、今は実に希有な体験をしているのだろう。
長いようでもあり、短いようでもある。
初日と比べ、拠点ははるかに住みやすい場所となった。驚くべきことだ。
今では自力での脱出方法を探さんと、造船計画が立つまでに至っている。
造船に向けた準備の為、陽が沈んでからは慌ただしかったが……今は皆、一時の休憩を取っているところだろう。
先ほどまでの忙しなさが嘘のように、静かな夜だ。
しばらくすれば、また造船作業が始まることとなろう。
しばしの休息の刻。また少し、筆を執ることとする。
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拠点の隅の箱の中に隠れて過ごしている者が居る。
おそらくは人の子供。……このような書き方をするのは、この島には会話が成せるが人の姿をしていない者もいるからだ。
理由があるのか、ただただ内気なだけなのかは分からぬが、箱の下の姿を見たことは無い。無理に見る必要もないだろう。
隠れて過ごしていては不便ではないかとも思ったが、時折ペンギンや、オーコ殿が彼の者の元へ行くのが見える。楽しくやれていそうなら何よりだ。
この生活の中でとりわけ目立つのは……マツド殿であろう。
最初は働き者なのだと思ったが……今では働きすぎだと思っている。気が付けば限界まで伐採をしているように思う。
働くことに生きがいを感じているのか、働かねば生きられなくなってしまったのか……何にせよ、その為に生命を削ってはいないかが心配だ。
いや、削っている、確実に。
……異常労働のことばかりを書き連ねそうになるが、彼もアヒルバトルへの強い情熱を持っているのだろう。
バトルを観戦している時も、バトルを行う時も、バトルフィールドの障害物となっている時も、熱を込めて楽しんでいる姿が見られる。
本来は、労働以上にアヒルバトルのことが好きなのではないだろうか……とも、思うことがある。
以前にも記録に書いた少年――タツト殿のことだが、彼はいわゆる二重人格……とでも言うのだろうか。
普段はアヒルバトルに対する話には困惑を返すことが多い、あまりアヒルバトルのことを知らぬ様子であるのだが、もう1人の人格が現れれば、途端にアヒルバトルに対して饒舌になり、他のバトラーに対して挑発的な言動をするようになる。
……このバトラーとしての人格が現れている間に少し話を行った。
彼はまだ自身のアヒルを見つけられていないらしいが……その態度からすれば、相応に実力に自信があるのだろう。
彼のアヒルが見つかった暁には、一度手合わせをしてみたいところだ。
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遭難生活の日々は慌ただしく、しかし賑やかで、ここには書ききれぬほどの出来事がある。
伝説のアヒル島に流された…ということも含め、今は実に希有な体験をしているのだろう。