Eno.7 禍津神陽 セトの日記

18.無題

生物ちゃんたち おふねつくった!!
速すぎる。与えられてしまった……

ボタンちゃんが原型となる いかだを作り。
ガザミちゃんが それに 安定する改良を施し。
皆で木材を 一生懸命集め……
トトがそれへ更に改良を加え 独学にしては 立派なんじゃない?プイプイ(本人談)みたいな小船を作り上げた所までは拝見していたが。流石に 更なる改良は未だであろうと お水とお食事についてゴヤゴヤやっていたら いつの間にか完成していた。そんな馬鹿な。

書き置きを見るに 心得のあるカニちゃんが 一夜城の如くお船を造り上げたようであるね。ちいさなからだで ものすごいパワーを溜めているものだ。
俺たちは 船が欲しいと オネダリをしたくせに 造船に置いてはなんのお役にも立っていないが 喜ばしいことです♪喜ぶ権利は なんにもしていない 俺たちにも平等に 与えられております♪嬉しい。俺たちはきっと嬉しく思っています。

お傍で見ると なんともすばらしい……
手製のお船……しかも無人島で造られたものなんて 不安であったが……これになら 愛おしい我が身を預けることも ……フーム……


これは いつ 海の方へ出すのだろう?
俺たち はやく こちらのお船に乗ったり 降りたりしたい。乗ったり 降りたりである。ここを 直ぐ様 出て 子どもたちに会いに行けるのなら この俺たち ひと足先に乗り込んで 沖合いくらいまでなら 操舵を行うことも 辞さないのであるが。
この俺たち 邪智暴虐と称されど 正しき対価を心掛けた 人情と信用 安心安全の商売をしている身。吹っ掛けた取り引きの他に 資産を不当に強奪するのは 誇りが許しません。この島に流れ着いて 過去 非常に遺憾ながら 泥水・海水などで口をゆすいだ時点で ほとほと泣け無しではあるが。ふははは。

冗談はさておき。
生物ちゃんたちは 俺たちにも トトにも とっても良くしてくださったのでね。俺たちも 正当な対価をお支払いすることにしよう。


船に乗る時は 何時もカスのような気分だった。
外交も 王族とのお話……も。総じてカスである。
特に取り引きを伴った外交。こちらが 発展途上のしょうもない国であるからと 大分と足元を見つめられた話を 持ち出されたものです。
何かひとつ。たったひとつでも。
返す言葉を間違えれば 俺たちは一撃で首をへし折られ 蓄えた 豊かな生命の骨髄を ゴクゴクと飲み干されるのであろう。そんな所より 選んだ改心の一手を握り締め 相手の首元へと 突き返してやれた時は また大層愉快であるのだが。

船に乗るのが こんなに楽しみで
浮き浮きとしたのは 何時ぶりであろう。

直近の 船に関する記憶と言えば。
俺たちを乗せた客船が 我々を 見下すように
船頭を高く持ち上げ 沈んだことであるしな♪
わははははははは。愉快なことです♪