Eno.1014 漢升の日記

アッティラ族の階級について:上級編

将軍クイーン
5mの体躯を持つ実質最高指導者です。頭部のカルシウムの装甲が王冠型に尖る形で成長します。発達した胸部には落とした翅の付け根が残ります。
他種族とも対等に交渉可能な知性と体躯に相応しい防御力、1つの盾と3つの武器──他種族なら二本腕で扱うそれ──を振り回す恐るべき戦士でもあります。
寿命も長く、100~300年ほど生きるとされています。

多くの場合、群れは彼女達から始まります。結婚飛行を終えたばかりの若いクイーンは全てを自力で熟さなければいけません。
一方で、大きな巣ではクイーンが複数いることも珍しくありません。交渉の窓口になるのも専ら彼女達であるため、老いた個体から若い個体へ口伝で知識や言語が伝達されています。チーフ以下で対応できない事態に対して押っ取り刀で駆けつけるなど、アリの女王との共通点も多くあります。

クイーンになるためには、特別な個室で充分な栄養を与えなくてはならず、そのような育て方はそう沢山できるものではありません。そのため、巣では少数派となります。

「拙者がよく言う三賢者、略して三賢(トライマグス)もクイーンでござる」



母廠マザー
10mもの体躯を持つ最大の個体です。その全長の6割ほどを肥大化した腹部が占めています。寿命は200年ほどです。
最大の体躯を持つものの、実質的には「生む機械」に過ぎず、世話をされなければ生きていくことすらできません。移動もままならず、巣の最奥に鎮座しています。
その代わりに、1体で1日に数百の卵を産み落とし続けます。これは日に数十程度となるクイーンと比べても圧倒的で、それ故に特化した個体として、余裕が出てきた大きな巣にマザーが生まれてきます。

その大きさに育てるのも一苦労。マザーを増やす時には一時的に殆どの活動がマザーのための栄養の確保に費やされるほどです。足りない場合はワーカー達が刻まれて与えられることすらあります。
体躯は大きい彼女達ですが、知能はワーカー達と同程度にしかありません。マザーになった途端に知性が奪われるのは、進化の神秘としか言いようがありません。地球上でも、ハキリアリの一種でこうした知能の変化が確認されています。

こうして生まれてくる卵は巣の状況と照らし合わせてどれだけ育てられるかが判断されており、大半を他の幼体の餌にしてしまう場合すらあります。

「これがいる巣(ネスト)は一般に中~大規模と言われるでござる」