Eno.583 BlancusとYayauikの日記

Microcosmos05


 夢を見た。
 少しずつ少しずつ、なにかがおかしくなっていく夢だ。
 僕の知らないところで全てが行われている。
 僕に見えないところで、何もかもが決められている。
 僕はいつも何も知らない。
 いつもいつも、僕自身が顧みられることはなかった。
 そうして僕の世界が削られていく。
 少しずつ少しずつ、なにかが確実に奪われていく。

 それでも僕は、小さな庭に花の種を蒔いた。
 特別な世話をするわけじゃない。
 ただ種を蒔いて、後は自然に任せるだけ。
 それで十分だと知っていたからだ。
 人の手がなくても、花は自分で育っていく。
 僕もそういうものになろうと思った。
 僕のものを、僕の世界を、誰にも頼らずに守ろうと思った。
 その為の刃を手に入れた。
 そしていつか、空を舞う綿毛のように、自由にどこへでも行けたなら。
 僕のやわらかい、温かな世界と共に、自由に生きることが出来たなら。


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