ささやき 9
小屋に落ちている貝殻を耳に当てると、かすかに呟く声が聞こえる。






「きれいな船が完成して、よかったよお……」
「島がしずんでしまっても、助けがこなくても、船にのれば生きのびられるもの」
「ひとの子も、そうじゃない子も、元気にいきてほしいな。
もしものときの船旅セットも、みんなの分をつくれたらいいよねえ」
「旅をしてる子は、旅をつづけられるし。
ニホン?とか、すんでいた地にもどれる子は、うれしいよね」
「あとはねえ、」
「ぼくが、もっと記憶がたくさんあって。
安心してくらせる場所をもっていたらな……」
「どこに行ったらいいかわかんない子に、ここに帰ってきたらいいよって言えたらいいのに」