Eno.844 モニカ・リンバスの日記

後輩的脳内記録2!

「ふぃ~……極楽極楽ですねぇ……」

大掃除の後、用意された岩風呂にゆっくりと浸かり体を休める。
広々とした浴槽には香り豊かな花や果物がこれでもかと浮かんでおり、気分は上流階級という感じ。

こんな贅沢は向こうの生活じゃ考えられないだろうな……なんてふと思って。実家の風呂場は人ひとり入るのが精いっぱいなわけで、こんな風に足を延ばして入るなんてのは数年ぶりになるだろう。
寮に住めば学校から近いし大浴場も使えるだろうけど……父親は気にするなと言ってくれているが、まだ幼い弟を置いて家を離れるのはどうしても憚られる。

そう思うとこの遭難は神様がくれたささやかな休暇、とも捉えられるかもしれないけども。

「……いいのかなぁ、アタシだけ」

岩風呂の縁にうつ伏せに顔を置いて独り言ちる。
どうにも昔から、人の世話を焼いてばかりだったから、もてなされるとなんだか悪いことをしている気になってくる。
そんな事を考えるのは失礼だし、実際顔にはおくびもださなようにしているが、こればっかりは性分と言う他ないのかもしれない。

「うー……やば、流石にのぼせてきた」

考え事と長湯のダブルパンチで火照ってきた脳を冷ますため、湯船から上がる。
風呂場を出たら、またいつもの能天気な後輩でいるとしよう。