昔のこと
ある日ひとは
熱烈に村を守る色の精霊様を求めました。
その精霊様もひとの期待に応え、
ひとの世界に下りようとしました。
けれど、その精霊様は
うつわが無いと下りる事が出来ない。
そういう事がわかりました。
ひとは、色々なものを用意しました。
精霊様のすがたを描いた石版。
精霊様の好む花を咲かせる大樹。
聖なる血を流すひつじ。
幾度もひとは精霊様を迎えようとしますが、
それでもうまくいきません。
そうして、ひとびとは精霊様の事を
忘れはじめていきました。
ところがある日、
ひとびとの村に真っ赤な危機がおとずれました。
すべてが真っ赤に染まるなか、
ひとりのおんなが泣き叫びながら
自分の子供のなきがらを
精霊様にお供えしました。
精霊様はその声にこたえ、
その子供のなきがらに身を下ろし
虹色に輝いて人知れず、
村を危機からすくったのです。
めでたしめでたし
しかし、ニンゲンは
真っ赤な危機から救ったその精霊様の事を
全ては認めませんでした。
聖なるモノに宿るとされたその精霊が、
汚いモノに宿る事は許されなかったからです。
精霊様はニンゲンから隠されるように祀られて行き、
村の奥の祠に追いやられ、一部の者達以外からは
精霊様は次第に忘れられていくようになりました。
やがて、ニンゲンの変わり者が、
「色の精霊なのに、
こんな灰色の場所に閉じ込められて可哀想だ」と嘆き、
「外の今の人間の世界を見てみないか」と精霊に提案します。
『これで良かったのか?』
「何が?」
『ニンゲン達に関わったお陰で、今や無人島だぞムジントー!
しかも時間制限付きと来た!
幾らお前の身体でも海の底はヤバヤバのヤバだぞ、きっと!』
「んー…そうだねぇ。」
少し、考える。
「けれども、こんなコト。こんなモノ。
部屋の中に居たままじゃ分からなかったからね。
それはそれで良いんじゃ無いかな。」
『お前はやっぱり何処か抜けてんな。』
呆れたようにソレは言う。
いずれにせよ、あと1日で。
目の前の島は青に飲まれていく。
寂しいと想う気持ちが、確かにあった。
熱烈に村を守る色の精霊様を求めました。
その精霊様もひとの期待に応え、
ひとの世界に下りようとしました。
けれど、その精霊様は
うつわが無いと下りる事が出来ない。
そういう事がわかりました。
ひとは、色々なものを用意しました。
精霊様のすがたを描いた石版。
精霊様の好む花を咲かせる大樹。
聖なる血を流すひつじ。
幾度もひとは精霊様を迎えようとしますが、
それでもうまくいきません。
そうして、ひとびとは精霊様の事を
忘れはじめていきました。
ところがある日、
ひとびとの村に真っ赤な危機がおとずれました。
すべてが真っ赤に染まるなか、
ひとりのおんなが泣き叫びながら
自分の子供のなきがらを
精霊様にお供えしました。
精霊様はその声にこたえ、
その子供のなきがらに身を下ろし
虹色に輝いて人知れず、
村を危機からすくったのです。
めでたしめでたし
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しかし、ニンゲンは
真っ赤な危機から救ったその精霊様の事を
全ては認めませんでした。
聖なるモノに宿るとされたその精霊が、
汚いモノに宿る事は許されなかったからです。
精霊様はニンゲンから隠されるように祀られて行き、
村の奥の祠に追いやられ、一部の者達以外からは
精霊様は次第に忘れられていくようになりました。
やがて、ニンゲンの変わり者が、
「色の精霊なのに、
こんな灰色の場所に閉じ込められて可哀想だ」と嘆き、
「外の今の人間の世界を見てみないか」と精霊に提案します。
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『これで良かったのか?』
「何が?」
『ニンゲン達に関わったお陰で、今や無人島だぞムジントー!
しかも時間制限付きと来た!
幾らお前の身体でも海の底はヤバヤバのヤバだぞ、きっと!』
「んー…そうだねぇ。」
少し、考える。
「けれども、こんなコト。こんなモノ。
部屋の中に居たままじゃ分からなかったからね。
それはそれで良いんじゃ無いかな。」
『お前はやっぱり何処か抜けてんな。』
呆れたようにソレは言う。
いずれにせよ、あと1日で。
目の前の島は青に飲まれていく。
寂しいと想う気持ちが、確かにあった。