Eno.620 水路の案内人スィーロの日記

6日目その1:キューブ

変な箱にいろんなことするお祭りだったみたい。

それにしても、この変な箱。
もしかして、キューブってヤツなんじゃ……?

試しにモルタルをぶっかけたら、なんか記録が再生された。

この世界は一度滅んでいるみたい。
あのダンジョンのあるフィリア世界みたいに。

あの世界の人間は、滅びの際に仮想宇宙アケローンに己をデータ化して逃げ込み、再構成トンネルというものを用いることで再び現実へと帰還することを考えていた。

この世界は、別の手段を選んだのかもしれない。

あちきは、現実には存在しない。
誰かによって打ち込まれた、ただのデータだから。
水路をスコップでショートカットするためだけに、あちきは生まれた。
だから、水路のない現実に、あちきの存在意義はない。

……少し、寂しいな