Eno.459 血の四天王の日記

誰かの独り言5

自分と同じ時間を過ごしてくれる者がいれば、と
思った事もある
目の前に広がる茫洋な時間に嫌気が差すことも

――置いて行くくらいなら堕ちてもいい



色の付いたレンズ越しですら蒼い、湖畔を湛えた双眼が真っ直ぐにこちらを見ていた
誑かせば本当に手の内へおさめられるのではないか、
などと、一瞬でもそんな黒い考えが過ってしまった
魔が挿すとはこういう事を言うのかもしれない



月の昇った空の下、砂浜を歩く
さくさくと、音がする

やがて、水平線が白く色づき始めた

陽光を弾いて輝く海を眺める
深い蒼を湛えるその海を

もうしばらく、レンズ越しにしか見たことのない風景を
恋しく思う気持ちがどこに残っていたのだろうか

「…………」



次に会う時は、お前の見た世界の色を教えてくれ

『    』