Eno.580 ルシーの日記

無題

私のほかにもっとお料理をしたい方がいらっしゃったと思います。
私はほかにもっと外仕事をできたのだと今は分かっています。
私がいなくてもこの島が十分に楽しく満ち足りていたと知っています。
私がいたことで誰かが被った不利益のことを理解しています。
そして本当は、私、何処にも帰りたくないのです。

ずっとこのようなお屋敷で働けたら幸福でしょう。
お客様方は自由で、気儘で、穏やかで。
ここがお家ではないから、皆さま協力して生きてきたのです。
お客様が、家人でなくお客様のみであったからこそです。

お客様。
ひとときの旅の一員に加えて頂き、誠にありがとうございました。

天国でも、現世でも地獄でも構いません。
消え去った虚無の中でもデータの中でも。
美味しい食事を楽しく囲める場所で、
また私のプロパガンダと手抜きと趣味に。
お付き合いくださいまし。

もしも契約してくださるなら陰についてまいります。
ストーカーではありません。
契約されなくともいつも腕を振るいましょう。
ご用命を、どうか。

思い出から参ります。