Eno.1032 アリアンロッドの日記

6日目_5

現在の天気は曇り、気温が下がる気配。
ババァから本来の私に戻ったことで、周囲の反応も大きく変わった。

私達トロンは本来、権能であらゆる物質をエネルギーにできる。それ以外にも空間潮力とか、光合成とか、周囲の生物が放つ生命エネルギーを拾い集めたりとか、色々やっている。が、今は人間同様の食事しかできない。鞄君はこれについて、この島の異常性だろうと言っていた。……まぁそうだろうね。なにせ来た時からこの調子だし。
そもそも権能は本来、エネルギーから物質を組み立てる、真なる錬金術と呼ばれるもの。分解はこれの応用でしかない。こっちも勿論できない。できたら、こんな苦労せずに半身を起こせたんだろう。今身体を苛む痛みもマシだったかもね。

そう、その流れで私が鞄君を最初から視認していたことも指摘した。私達は生命が発する「生命の波動」とでも呼ぶべきものや、含有する魔力、可視光、そして紫外線や赤外線も見ることができる。だから、可視光で透明なだけじゃ私の目は誤魔化せないよ。

その後にはパーティの続きも軽く。古代魚は油の味がして、シャーベットはほんのりと甘味と酸味。油の乗った肉や魚は人間が好むもの、周囲の反応からしても「美味しい」ものだったのだろう。……これも私は感じ方が違う。旨味や塩味など、五味の度合いを機械的に判定することはできても、人間などのように本能的に求める味、というものがない。まっ黒焦げでも問題なく食べられるけど、高級品を食べても感慨は特にない。海藻とか齧って済ませてたのは、ここからくる後ろめたさからだ。……まぁ、毎度味を判定するのは、それはそれで面白い作業ではあるけれど。

その後になってようやく、寒くなる前に動くことにした。拠点の壊れている設備を直して、森林の罠を見に行き、孤島で軽く食材を探す。その後は軽く食事も作った。こんな作業も久々な気がするね。



帰りはどうしたものかな。救助船が来たらそれについていって……駄目だったら宛もなく港を探して移動することになる。私が半分とはいえ機能を復旧したのだから、意地でも陸地には辿り着かせるが……その後の展望は出せない。
ノルテステラは世界諸共崩壊して消えたが、お隣のアーシエのほうは無事なはずだけどね。