23.無題
俺たちは数刻前 酔い潰れたが 懲りることは無い。花火の上がる限り 我々は酒を飲む。
そのために 酒蔵は常に潤沢で然るべきだし。
大砲と火種は 常に使える道具で在るできである。
俺たちは 何も間違っていない。
俺たちは 人間ちゃんがどうあろうと 酒飲むので。
俺たちは 酒に 強く 抗える兵器であるので。
俺たちは いつナンドキも ツマミを作るべきなのだ。
俺たちは 花火を大変気に入っています。
この時を待ち侘びて 目覚めてから延々と 屋台で飯を炊いているくらいには。これが 楽しいのだ。人間ちゃんに 豊かであって欲しいのだ。屋台を楽しみ 腹一杯まで食って 喉を潤し。花火を大好きになって欲しいのだ。
花火と言うのは 我々に……
いいえ。
我々の国の人間にとって 目出度さの象徴である。
上げれば上げるほど 金もかかるが。神聖な炎を用いた祝い事のために 金を渋るなど 情けなくて 出来るわけがなかろうよ。式典は盛大に。聖なる炎の加護を受けるため。
我々の国では。
子どもの誕生を祝福するため ランプを作る。
国で祀られている聖なる火から火を貰い受け 産まれた子どものために 親が手ずから拵えたランプを 送る風習があるのだ。美しい金具と 色とりどりの ガラスで装飾された……美しく輝く 金属とガラスのランプ。
それは 子どもの命と同等。
国民はその 聖なる火で灯されたランプを 子どもの時から 腰に提げ 肌身離さず持ち歩き。闇の中を歩く時は それを灯す。眠る時も 寝室でそのランプを着け 暖か煌びやかな 己の命を燃やしながら こちらの生命を灯してくれた 親を想うのである。
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トトは 俺たちにランプを与えてくれたのだった。
祝福されるような 産まれではない俺たちに 金と青の美しいランプを……そう。むかし。お前たちに 俺たちが ランプを与えたことがあったでしょう。あれはね。トトが俺たちに用意してくれたのが あんまり嬉しかったからなのだよ。お前たちは そんな文化を知らずに育ち 別にランプなんぞ欲しくは無いと 知ってはいたが。
ひとりが ランプを欲しがっていたので。
それを ナナが 確かに 覚えていたのだ。
俺たちに 教えてくれたのだよ。
こんな大人数で飯を食うのは いつぶりだ。
子どもたちと食べる時は 7人であるから。その2倍もいる。今の状態に 満足している訳では無いが。寂しくはない。不思議と 寂しくは無いのだ。お前たちが 俺たちを見守っていて くれているのだと思うと 尚更。
俺たちは 一刻も早く この島を去らねばならない。
それは揺らぐことない 俺たちの目的である。
ですが。未だ救援はない。
もう少しだけ 楽しそうな俺たちを見守っていておくれ。
ほうら ご覧なさい。また 花火が上がったよ!
そのために 酒蔵は常に潤沢で然るべきだし。
大砲と火種は 常に使える道具で在るできである。
俺たちは 何も間違っていない。
俺たちは 人間ちゃんがどうあろうと 酒飲むので。
俺たちは 酒に 強く 抗える兵器であるので。
俺たちは いつナンドキも ツマミを作るべきなのだ。
俺たちは 花火を大変気に入っています。
この時を待ち侘びて 目覚めてから延々と 屋台で飯を炊いているくらいには。これが 楽しいのだ。人間ちゃんに 豊かであって欲しいのだ。屋台を楽しみ 腹一杯まで食って 喉を潤し。花火を大好きになって欲しいのだ。
花火と言うのは 我々に……
いいえ。
我々の国の人間にとって 目出度さの象徴である。
上げれば上げるほど 金もかかるが。神聖な炎を用いた祝い事のために 金を渋るなど 情けなくて 出来るわけがなかろうよ。式典は盛大に。聖なる炎の加護を受けるため。
我々の国では。
子どもの誕生を祝福するため ランプを作る。
国で祀られている聖なる火から火を貰い受け 産まれた子どものために 親が手ずから拵えたランプを 送る風習があるのだ。美しい金具と 色とりどりの ガラスで装飾された……美しく輝く 金属とガラスのランプ。
それは 子どもの命と同等。
国民はその 聖なる火で灯されたランプを 子どもの時から 腰に提げ 肌身離さず持ち歩き。闇の中を歩く時は それを灯す。眠る時も 寝室でそのランプを着け 暖か煌びやかな 己の命を燃やしながら こちらの生命を灯してくれた 親を想うのである。
満点の星空へ 美しい青色の花火が散った。
セトは それをただ 見上げて 子どもたちへと見せる。
落ちていく花火のヒカリは まるで流星のようでもあって。
心の底から 嬉しかったのだ。
トトは 俺たちにランプを与えてくれたのだった。
祝福されるような 産まれではない俺たちに 金と青の美しいランプを……そう。むかし。お前たちに 俺たちが ランプを与えたことがあったでしょう。あれはね。トトが俺たちに用意してくれたのが あんまり嬉しかったからなのだよ。お前たちは そんな文化を知らずに育ち 別にランプなんぞ欲しくは無いと 知ってはいたが。
ひとりが ランプを欲しがっていたので。
それを ナナが 確かに 覚えていたのだ。
俺たちに 教えてくれたのだよ。
こんな大人数で飯を食うのは いつぶりだ。
子どもたちと食べる時は 7人であるから。その2倍もいる。今の状態に 満足している訳では無いが。寂しくはない。不思議と 寂しくは無いのだ。お前たちが 俺たちを見守っていて くれているのだと思うと 尚更。
俺たちは 一刻も早く この島を去らねばならない。
それは揺らぐことない 俺たちの目的である。
ですが。未だ救援はない。
もう少しだけ 楽しそうな俺たちを見守っていておくれ。
ほうら ご覧なさい。また 花火が上がったよ!