Eno.16 戌ヶ迫 朔也の日記

めざめの6ページ ~ 過去、現在、そして未来

不思議の島のまた不思議。
海に沈んだ秘密の王国、いざや目覚めの時は来た。

「みんなのおかげで素材が集まったぜ!
 これであのレシピを作れるなー!」


「よーし、いったいどうなっかなー……!」


紐解く封印、弾けた煌めき。光を追いかけ洞窟へ。
扉の先には石造り。見たこともない光景と、謎が謎呼ぶ未知の箱。

「な、なんだこれ……部屋?
 でも、この島っぽくないっていうか、近未来的? っていうか……」


「それにこの箱。色々試したら開きそーだけど……中はどうなってるんだろ」


叩いて落として、煮て焼いて。
冷やして熱して打ち上げて、ようやく開いたその中は——。

「……この世界では昔、こんなことがあったんだなー」


「"所詮はハリボテには過ぎない"……かぁ」






けれどこの地で果たした出会いは、決してハリボテなどではなくて。

積み重ねた時間も、共にした生活も、作り上げた思い出も。
どんなに小さな出来事でも、それらひとつひとつがかけがえのない宝物で。

「今日の夜が最後、なんだよなー……」


想いの込められたシーグラスを透かしてみれば、蘇るのは色鮮やかな日々。
嬉しいことも、楽しいことも、少しだけ悲しいことだってあった。
そうだ、そうだとも。ここで積み上げてきた全ては——。





少年は今日も船を漕ぐ。
果てなき海の真ん中で、漕ぎに漕いで、漕ぎ続け。
ようやく見つけた終着点。

終わりの先の始まりの、交わることなき道の先。
そこに待つのがなんであれ、少年は一人船を漕ぐ。

掲げた夢を叶えんがために、休むことなく船を漕ぐ——。