Eno.328 魔王マイダスの日記

魔建築記録:シマナガサレ

【真・ラスボスの部屋】
この島に遭難したマイダスが、持ち込んだあり合わせの材料で作り、その後九龍城砦に吸収されていた部屋
それを今の資源で一からリフォームし、新たな姿にした
それは玉座であり、王の間であり、重苦しい空気で満たされた魔王の居城である


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私は民を集め、宣言した
黄金卿計画は直ちに中止し、我は王の座を降り罪を受け入れる
我は敗北したのだと

親王派の者たちが強く擁護し、私は魔建築技術を発展させた功績から、死罪ではなく流刑となり
小さな孤島へ軟禁されることとなった
それでよかった
私の築こうとしたメッキだけの黄金卿に、大した量の金はない
反魔王派の者が私の事実をありありと知り、それが広まりさえすれば……
私が許されることがなかろうと、亡命している娘のマリーは再びこの国に受け入れられるはず
従者の待つ船にせめて家を建てるための建築資材を積み込み、この国を去った


それは激しい嵐だった
何かが私を引き寄せ、吸い込もうとしているような大波が繰り返し打ち付ける
船は浸水し、従者は海に投げ出され、私は必死に船にしがみついた
生きていなければ
たとえ罪人となろうとも、生きていなければ
親王派の者が穏健でいるためには、私が生きていることが必要なのだ
マリーがまた美しき生活をするためには
生きていなければ



「……我ながら呆れるな
流刑先でこんなハリボテの居城を建てようとしていたとは
だが……こんなにも楽しい」


「早く戻り、世界の状況を確認せねばな
親王派の者が、過激になっていなければ……よいのだが」



「だが、その前に……
この世界のために、自己満足の魔建築をしよう」



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「木の実原さん!!!
この部屋、かなり変ですよ!
王様の部屋みたいです!!」

「見てください、玉座もあります!
座ってみますね!」





「雨水さん、今はこんな事をしている場合ではないのでは?」