Eno.600 アルノー・シュヴァリエの日記

アルノーの最後の書き置きらしきもの?

今日、ワタクシは仲間11人に贈るぬいぐるみを作り終えた。

ひと針ひと針、細やかに、ワタクシの姿を模したものだ!
本場で職人が作ってくれたような完璧な物ではないが、皆の記憶に留めるには充分だ。


…正直なところ、個人用に仲間たちの姿を模したぬいぐるみを作り、持ち帰りたかった気持ちもあった。

しかし、そうではなく、キミたちがワタクシを記憶の端にでも留めてくれるように、
あえて自身を象ったぬいぐるみを贈ることにしたのだ。

最初に自己紹介をした時、彼らが「知らない」と言ったこと?
そんなものは一切気にしていない!



気にしてないからね!!!!!本当に!!!
口にしたけど!!!あれは照れ隠しっていうか〜〜〜〜〜



………だって、ワタクシはこの世界を旅する者。

知られていないからこそ、出会いがあるというものだ。

それに、これから彼らをきっかけにさらにワタクシの美しさは広まり、
キミたちやキミたちの周りの記憶にも深く刻まれるはずだからな。
ふふ、素晴らしいではないか。


それに、別れの際に贈り物は友にしてこそ、より記憶に留めやすくなるだろう?



だが正直な話、心の中で少しだけ悩むこともあった。

彼らを本当の意味で「友」と呼んでよかったのだろうか?
私のような存在が、彼らにとって友であり得たのだろうか?
会話も少ない、共有する時間も少ない、助けられてばかりだ。

何度も死んで復活し、様々な場所を巡る中で多くの人に出会ってきたけれど、
友と呼べる存在を持つことはそう簡単ではなかったし、
ワタクシには今は亡き「最愛の友」であり「家族」であるジャンだけで良かった。

このシマでの時間は、ワタクシにとって特別だった。
本来は、怪我の完治までサポートをして、終わり次第旅を再開する、そのつもりだった。


キミたちと共に過ごし、笑い合い、時には助け合った日々。


それは確かに短いものだったが、完治後も居座ってしまった。
彼らとの時間は、友と呼ぶ価値がある濃密で温かいものだった。

そして、押し付けがましいだろうが、
このぬいぐるみがその証になることを願っている。
皆の協力あって材料も揃ったのだから。


悩んだことも、迷ったことも、今となってはどうでもいいことだ。



ワタクシは、このシマでキミたちに会えて、本当に良かった。

キミたちとの時間を胸に刻みながら、これからもワタクシはこの世界を飛び回るだろう。


さあ、今日もまた旅の続きを始める時だ。