Eno.998 《蛇神様》ノイの日記

蛇の独白48

海水がこの島のいたる所に流入してきているのが見える。
いずれは拠点の方にも、徐々に流入してくるだろう。

……ああ、だがしかし、

――砂浜の方で、汽笛の音が鳴っている。

船旅をしていた連中がこの沈み行く孤島シマに気付き、停泊してくれたようだ。

その善意に甘えたいところだが……後、問題がひとつだけ。

この壊れかけた身体が、そこまで保つかどうかだ。

海面が上昇している以上、どう足掻いても身体が海水に浸かるのだ。
その激痛いたみに我がどれだけ耐えられるかが問題である。

例え我が力尽きようと、せめて共に生きた漂着者たちが、先に全員乗ってくれると良いが……。