Eno.378 白波の眷属の日記

ささやき 10

小屋に落ちている貝殻を耳に当てると、かすかに呟く声が聞こえる。

「救助船がきたよお!」
「ぼくもさっそく一度のっちゃった。
 もといた海や、いきたい地へおくってくれるのかな」



「この7日間は、たいへんだったものね。
 水ものめないところからはじめて、たべられるものや道具をさがして……」



「みんなで小屋や、焚き火台や、窯や、お風呂や、氷室や、罠に、水をあつめる道具……
 たくさんの倉庫にコンテナ、斧、かごやそり、つよい銛、お水、ごはん……
 挙げきれないくらいいろいろつくったから、最高の島になったねえ」



「ふふふ」
「たのしかったな」



「島を出るときは、木の船にのってみたいんだよねえ」
「まだ、どうなるかはわからないけど……」




「もうすぐ、みんなとおわかれかあ」



「なんてね。しんみりしているひまはないよお」
「あまった時間で、船をいちばん大きく……できるかなあ!?」「がんばりたいよねえ」