Eno.600 アルノー・シュヴァリエの日記

アルノーが過ごした国の後日…数秒後の話

とある国の広場にて、アルノーが去った直後。


「いやぁ、アルノー・シュヴァリエって素晴らしい人物だったな。
あんな美しい人、まるで夢みたいだよ」

「本当にな!彼が来てくれて、この国も少し華やかになった気がする。
あの翼と姿勢、まるで絵画の中の英雄みたいだ」

「彼の言葉も優雅だったな。『私を頼りたまえよ』なんて言ってくれたときは、
本当に頼りにしていいのかと思ったよ。
ただ、大きい荷物運ぶときはすごい顔しててつい笑ってしまったけど」


「そういや、〇〇さんとこの長女ちゃん、アルノーに一目惚れして結婚してほしいと迫っていたが、
あれから大丈夫か?」

「あぁ、見たけど、布団にくるまってずっと泣いていたよ。
相当惚れ込んでいたみたいだが…可哀想に。
立ち直るのに時間も何かしらもかかりそうだ」


「またいつか戻ってきてくれるといいんだけどね。
こういう旅人って、一度出会ったら二度と会えないってことが多いし……」


「いや、彼ならまた戻ってくるさ!
復活の鳥、アルノーは、そんな簡単に消えるような男じゃない。
きっとまたふらっと顔を出すさ」


「ああ、そうだな。あんなにかっこよくて最高の鳥が来てくれたんだ、
それにここの国にまた来たいと言ってくれた!
きっとまた……今度はもっと長く滞在してくれるかもな!」


「そうだといいわね。
次に会う時は、もっといいお茶でも出してもてなしたいもんだ。
ハーブティーとか、喜んでくれるだろうかねぇ?」


「それなら、私も準備しておこう。
彼が気に入りそうな芸術品を商人に頼んでみるよ」


「ふふ、なんだかまた彼と話すのが楽しみになってきたな。
次はもっと色々な話を聞きたいもんだ」


………



「ん?なんだ、ちょっと雲行きが怪しくなってきたな。
急に風が強くなってきたけど……ただの天気か?」


「大丈夫だろう。少し雨が降るくらいなら、しばらくしたら晴れているさ」


「ちょっと待て……今、何か聞こえなかったか?
風の音じゃない、何か……」


「え?何だって?……いや、気のせいじゃないのか?俺には何も……」

次第に、遠くから地響きのような音が聞こえ始める

「……いや、確かに何か………何か地面の下から……」


「……何だこれは……おい、まさか……!」



「……っ!?おい、これ……、本当に……!」




周囲の建物が徐々に崩れ始め、国全体が混乱に包まれていく。

人々は悲鳴を上げ、逃げ回り、また一人はアルノーに祈り続けた。


助けて、アルノー。

私達の……復活の幸福の鳥!











数日後、

芸術品を届けに来た商人が国にたどり着いた。



何か大きな災害があったのか、


家々は崩れ、城も崩れ、大きな川は毒々しい色、腐臭を放ち、


確認できる限り生存者は、誰1人いなかった


そうして、その国は原因不明の災害により、滅んでしまった。


商人、アリフ・メレゾッラは一つ呟いた。


「またか、また、この国も滅んでしまったのか、

アルノー・シュヴァリエ。なんてやつだ。



………いくら殺しても、復活する。

…………………「災厄の鳥」だ。」