Eno.419 ザック・ラパンの日記

星と海の歌

いろいろあって、帰れるようになったらしい。
やった!!!!

現れた遺跡に、俺の魂の一部を置いてきた。
きっと、今後この海に迷い込んでしまった者たちの力になってくれるだろう。

海面が上がり続けている。でも、拠点の空気はすっかりまるく戻っている。
それぞれがのんびりと疲れを癒したり、新しい場所を探検したり、料理をしたり、それを食ったりしている。
穏やかで、嬉しい。俺は、こういう空気の方が、ずっと好きだ。

まだまだこの島を歩き足りないが、本調子じゃないのが悔しいところだ。
することがないから、水を汲んで罠を見回るほかは、海ばかり見ている。
毎日見ているけど、案外飽きないものだ。
もう少し、海賊船を見て回りたいように思う。海賊帽は、まだあるだろうか。絶対に欲しい!!

それに、この島を出てからの皆についても、気がかりだ。
タコくんはご家族の元に帰れるだろうか。
アオの記憶は戻るだろうか。
リタはララとまた会えるだろうか。
……考えても仕方のないことかもしれない。きっと、すべてがいい方向に進むだろう。

この島はそのうち沈むようだ。
間に合ってよかったと、心から思う。

今や宝の山となった倉庫から何を持ち帰るか、今から迷ってしまうな!
ララのポケットに入っているものについては、まぁ、黙っておいてやろう。





思えば。
未知のアイテム作成に賭けるプランが頓挫した、そればかりを考えて動いていたような気がする。
皆には…… 特に、リタには、言い訳もできない。本当に申し訳ないことを考えていた。

この世界に奇跡は存在せず、背中を押すのは運命だけだと、俺は今でも思っている。
この世界が俺の知っている世界かどうかは、どうだっていいんだ。
だけど、この海で起きたことを、奇跡のほかになんと呼べばいいというのだ。
俺はこの島に残ってもよかった。その代わりに誰かを帰せるのなら。
でも、誰一人欠けることなく、元の世界に帰れるなんて。
そんな虫のいい話、と、俺はきっと思っていた。

実際に、そうなったのだから、それは奇跡であり、必然であり、ある意味では運命でもあった。

頓挫するはずがなかったのだ。はじめから。