それは見覚えのある、小さく綺麗な文字で書かれた手紙であった。
七日間の友人へ
僕たちはもう二度と再会を果たすことはできないのであろう、それは賢い君たちならば、きっと理解しているはずだ。我々は、生まれも、育ちも……何もかもが違うのだから。僕は君たちを深くは知らないし、君たちも僕を知らない。各々が元の居場所へと戻ったら、言葉を交わすこと、共に食事をすること、同じ屋根の下で眠ること。全てが叶わなくなるのだろう。
不幸にも島へと流れ着いたことで結ばれた奇妙な縁は、島から離れるにつれ徐々に弱まっていくのだろうね、それが僕は少し寂しく思うよ。どこの誰かも知らなかった君たちの名も、今では忘れられないものとなってしまった。あの島で君たちと過ごした日々は素晴らしい思い出として僕の記憶の中に焼き付いている。それほどに、君たちとの生活は楽しかったのである。あぁ、本当に、本当に愉快な日々であった。
これから、ただの日常へと戻っていく君たちよ。僕のことなど忘れてしまっても構わない。
だけれど、君たちがあの島での出来事を時折思い出してくれることがあるのならば、僕はとても嬉しく思うよ。
長々と書いてしまうと読み終えるまでに、君たちが目的の港へと辿り着いてしまうだろうから、これで以上とさせていただこう。
君たちの航海の無事を祈っているよ。
それではごきげんよう。
トト