漂着船にて
──── 一般的に。
鬼のような種族が息苦しく感じる世の中は、平和に保たれているとされる。
旅に出ようと考えていた矢先に、
クロウが来て、酒を差し入れてきた。
珍しい事もあるものだと、酒ものって、四天王を辞めることを話した。
無言で抜けるつもりだったが、あの日陰にいなければ灰になる男がわざわざ足を運んだのだから、
何か気が休まる言葉を返してやらねばと思ったのかもしれない。
この何十年もの月日の間に、思えば気の置けない友が三人出来たのだ。
得たものがあるとするならば、まずはこいつらを置いて他にいまい。
かつての主君の魔力が込められたものを、ひとつに編み上げた。
これがきっと、決別となるだろう。
……………

「……さて。では帰るとするか……」
ガララ

「ってオイ!!酒場があるぞォ!?
随分理解っておるではないかァ~~、気が利くのォ。
この島に来て数日の断酒は堪えたものよ。
む。そういえば、城にある秘蔵酒は回収しに行かねば……」
ゴソゴソ

「なッ……また酒が!?
すごいぞ……風呂場にだぞ!?
何か建築的な法に引っ掛かっていそうな抜け道だが、ここに法などない。逆手に取ったか……
まァ、風呂に浸かりながら飲む酒は格別にウマいからな。
これは快適な船旅になりそうだ……」
テクテク

「三重構造!?」