27.無題
いよいよ船出である。
この島も随分沈み込んできたものだ。
書き置きに 皆が何やら書き込んでいく。
沈めば こちらの痕跡も 無くなってしまうのだろう。
物悲しいが これらは 島の皆と俺たちだけが知っていればいい。
ミアちゃんより頂いた 黄色いお花の形のふかふか。
愛らしく フワフワとして 抱き心地がいいので 落ち着かず この拠点内を歩き回る内も もふもふと撫でてしまうね。
既に 積み荷の作業は済んだのに 続々 それぞれの船へと乗り込んでいく 生物ちゃんらを見送るのは 俺たちの自己満足に過ぎない。小さな子が 歩き回っていると 心配になってしまう。この島で 強く生き抜いてきたため 心配に値しないとは言え。
俺たちは未だに 皆が心配である。
何より トトを独りにしてお船へ 乗る訳には行かないので。万が一 この男を置いて出航などしたら 俺たち 王に会わせる顔が 御座いませんのでね。
ギリ 共に沈んだ方が マシである。ナーン。
神経質なトトが このように るいちゃんや オーちゃん 空ちゃんらと 仲睦まじくしているのを見ると 俺たちも何だか嬉しいねえ。俺たちなど 居らずとも これ程までに 人との交流が 出来るようになったのは この島の人間ちゃんたちが 優しく 愛らしいためなのであろう。
宮殿へ戻っても この思い出を糧に もう少しマシな振る舞いを するようになってくれたら 俺たちもっと嬉しいのだが。まあ 有り得んだろうな。人間の質が違いすぎる。
島に居る限り 絶えず花火が上がる。
あの真面目に見える るいちゃんが 救援が来た後も 花火を上げ続けていたのは 何故なのでしょう。見事な花火に 俺たちも トトも 大層喜ばせて頂いたので 思うところある訳でも無いのだが。
花火大会の始まりで イカれた数を打ち上げていたところから やはり 好きでやっていたの だろうか。それとも 島へ 皆へ 別れを告げるためなのだろうか。彼はポーカーフェイスなので 解らない。俺たち程 賢くても 解らないことは ある。わかるのは 彼がただ 花火が好きであろうことだけ。
俺たちは 全知全能ではあるが。
共に過した彼らのことを 何も知らないな。
最後に 空を彩った 二種の花火。
美しく 壮大で。こちらが別れの挨拶であるなど 想像だにもせんだろうな。まさか 花火師同士 宵闇への交流が起こるとは 俺たち 思っても見ませんでした。
同じく 花火職人をして居ると 似たことを考えるのかしら。
随分待たされたのは この為であったのでしょう。
トトは頑固で やると決めたら聞かない男であるから。
さあ 子どもたち。出航である!
いよいよ 我々は美しい思い出を抱いて お船に乗り込み こちらの島を脱するよ。厳しい旅路になるかも知れぬが なあに 心配あるまい。それもまた 楽しい思い出になろうよ。
皆で力を合わせて 島を脱したのだから
きっと この先も万事 上手くいくであろう。
改めて。互いの 船旅が 満帆調子であるように。
この島も随分沈み込んできたものだ。
書き置きに 皆が何やら書き込んでいく。
沈めば こちらの痕跡も 無くなってしまうのだろう。
物悲しいが これらは 島の皆と俺たちだけが知っていればいい。
ミアちゃんより頂いた 黄色いお花の形のふかふか。
愛らしく フワフワとして 抱き心地がいいので 落ち着かず この拠点内を歩き回る内も もふもふと撫でてしまうね。
既に 積み荷の作業は済んだのに 続々 それぞれの船へと乗り込んでいく 生物ちゃんらを見送るのは 俺たちの自己満足に過ぎない。小さな子が 歩き回っていると 心配になってしまう。この島で 強く生き抜いてきたため 心配に値しないとは言え。
俺たちは未だに 皆が心配である。
何より トトを独りにしてお船へ 乗る訳には行かないので。万が一 この男を置いて出航などしたら 俺たち 王に会わせる顔が 御座いませんのでね。
ギリ 共に沈んだ方が マシである。ナーン。
神経質なトトが このように るいちゃんや オーちゃん 空ちゃんらと 仲睦まじくしているのを見ると 俺たちも何だか嬉しいねえ。俺たちなど 居らずとも これ程までに 人との交流が 出来るようになったのは この島の人間ちゃんたちが 優しく 愛らしいためなのであろう。
宮殿へ戻っても この思い出を糧に もう少しマシな振る舞いを するようになってくれたら 俺たちもっと嬉しいのだが。まあ 有り得んだろうな。人間の質が違いすぎる。
島に居る限り 絶えず花火が上がる。
あの真面目に見える るいちゃんが 救援が来た後も 花火を上げ続けていたのは 何故なのでしょう。見事な花火に 俺たちも トトも 大層喜ばせて頂いたので 思うところある訳でも無いのだが。
花火大会の始まりで イカれた数を打ち上げていたところから やはり 好きでやっていたの だろうか。それとも 島へ 皆へ 別れを告げるためなのだろうか。彼はポーカーフェイスなので 解らない。俺たち程 賢くても 解らないことは ある。わかるのは 彼がただ 花火が好きであろうことだけ。
俺たちは 全知全能ではあるが。
共に過した彼らのことを 何も知らないな。
最後に 空を彩った 二種の花火。
美しく 壮大で。こちらが別れの挨拶であるなど 想像だにもせんだろうな。まさか 花火師同士 宵闇への交流が起こるとは 俺たち 思っても見ませんでした。
同じく 花火職人をして居ると 似たことを考えるのかしら。
随分待たされたのは この為であったのでしょう。
トトは頑固で やると決めたら聞かない男であるから。
さあ 子どもたち。出航である!
いよいよ 我々は美しい思い出を抱いて お船に乗り込み こちらの島を脱するよ。厳しい旅路になるかも知れぬが なあに 心配あるまい。それもまた 楽しい思い出になろうよ。
皆で力を合わせて 島を脱したのだから
きっと この先も万事 上手くいくであろう。
改めて。互いの 船旅が 満帆調子であるように。