Eno.35 レナード・ニューマンの日記

最後の夜、そして夜明け

一足先に救助船に乗って、
月明かりの下、水平線を眺める。

「終わったのか、シマでの生活が。」


「これからみんなは、それぞれの居場所に帰って……
 日常を取り戻すんだろうな。」


「また主に振り回される日々が待ってるんだな……。」


「帰っても波乱、シマにいても波乱……
 いや、すごい七日間だった……」


シマを振り返る。
海面は上がり続け、夜が明けるころにはきっと沈んでしまうのだろう。

「みんな、それぞれに大変そうだった。
 そして、帰っても大変そうだ。」


「子どもたちのほうが苦労しているレベルだった気がする。
 俺、ぬるま湯で育ってきたんだなぁ……。」


「これからはきっと、違う空の下で生きるんだろうけれど……
 みんな、しあわせにやっていってくれるといいな。」


「いずれ再会した時に、
 このシマの話を笑顔でできるようにしたい。」



「初めて見た海は、俺の中で素晴らしい思い出になったよ。
 ありがとう、みんな」