Eno.559 プファウ・マルルウの日記

いままでのこと

当たり前のように、ボクたちは言葉を使ってきた。
言葉を使って、知らないものを知ってきた。

知らないものを知ること、それ自体を知ろうと
疑問を投げかけたのは、ここに来てからしたことだ。


言葉を発するのは、なぜ?
知りたいと思うのは、なぜ?


それがたくさんの失敗をしてしまっても、
それがたくさん呼びかけても闇に吸い込まれるだけでも、

たとえ、返ってくるものが何もなくても。


なんにもなくても、ボクは投げかけ続けていた。

聞いてるラジオに手紙を送るみたいに、
手紙を瓶に入れて、塩水溜りの向こうに投げる。

結局、それの返事は拾えなかったけれど……


だけど、ボクらがこうして今読み解いているみたいに、
いつか、ボクの出した言葉に返事があるかもしれない。

それを受けるのはボクじゃない、だけど
それを受け取ったいつかのヒトは、
きっとこの広い世界で、ひとりぼっちじゃないことを知るはずだ。


ボクは、ボクたちが ひとりぼっちでないこと に安心をしたくて
知らないことを知りたいと願い、言葉を使うのかもしれない。