Eno.326 彼波守の日記

家路へと船出して

すっかり寝すぎてしまったけれど。

……いまから、あの場所へと帰る。
ボートの上、「私の知らない海」も見納めだと
その青を眺めながらぼんやりと思っていた。

7日間は思っていたよりもとても早く。
そのなかで多くの思い出と考えることを私にもたらしてくれた。

決めた。

私は私を追記・・することにしよう。
ほんとうの入れ子細工の完成になってしまうけれど。

「此度の"波"はとても大きかったのだから」


またあの墨で綴るものができた。
私にはまた、呪い祝いが増える。

生と死の境を越えて語らってくれた君のことを。
いろいろな冒険の話を聞かせてくれた君のことを。
疑心のなか私に心を預けてくれた君のことを。

私の中に、刻み込む。

――それはなんと、素晴らしきことだろう。