Eno.394 せいれいのかけらの日記

精霊

遠ざかる船を見送った。
かれらは、ここに偶然訪れただけのもの。

自分と似通った、白い妖精を見送った。
最後に、あんなものに会えたのは、何かの導きだったのだろうか。

最初から。
精霊は何かに惹かれるように、この場所に"居た"。
それは、例えば言葉にするのなら。
宿命だとか、運命だとか、そういうもの、そういう類による事だ。

精霊はこの島の、わずかな欠片。
沈みゆき、役目を終えるこの島、そのものと、同じもの。
石か、木か、砂か、あるいはそれらすべてか。
その小さな かけらだから。

さよならを送り、見送った。
そうしてゆっくりと沈んでいく。
またね、と。そんな再開の意志をくれたきみと、もう会う事は無いだろう。

ゆっくりと沈んでいく。
やがて、見えなくなる。