Eno.1076 三島江の日記

そのあと

「………ら、頭!」

遠くで声がする。目覚めると、そこはいつもの事務所だった。

「もー!心配したんすよ!起きないんで……」

「…………」

ぼんやりとあたりを見る。ここは孤島でもない。ただの、いつもの風景だ。

「夢やったんか……?」

「なんすか?」

「…いや、なんでもないわ。」

夢でもなんでもええか。なんか、ええ気分やし。

「それより頭、そんな指輪持ってましたっけ?」

「……?」

俺の右手にはしっかりと、未練がましくもっていたあの指輪が握られていた。