昨日
「素敵なキミ」
無条件に微笑んでくれた
「オルド!」
海を渡る勇敢な背中はとても頼りになる
「オルド」
善いことをまっすぐに信じている。
「オルド殿」
手のかかる、素直な子。
「オルドくん」
森の奥の、エレガントな妖精さん
「おるど!」
ニコニコとかわいいスライムちゃん。
「にゃお。」
迷い込んだ……とても勇ましいねこちゃん
「……オルド。」
氷の奥にいるとっても優しい嘘つきさん。
縋る心配が無かった。
拒む理由が無かった。
だって彼らは渡せば渡す程、同じ程の温かさで返してくれる。
満たされるのが心でわかる。
心の望むままに世話をして、心配をして。
それが許されて、喜ばれるだなんて!
だと言うに、まるで空を切るような手。なにか大きな間違いを自覚しながら、それがなにかに気づけなかった。
(…………己の正体を忘れる。ボクは最初の一手を、致命的に間違えていた。)
ずっと不安が除けなかった。
ずっと心配で心配でたまらなかった。
(そりゃそうだ、自分はきっかけ次第で記憶を失うんどから。)
ここですごした彼等との記憶も含めて、全部全部………でも、その日を送るオルドは知らない。だって忘れてしまったのだから。
当然、記憶を失うトリガーだって、何一つ!
だからあの痛みは、自分への失望は、自業自得だった。
ああ、ぼくのバカ、ぼくのバカ。ごめんなさい、ごめんなさい…………
「……少なくとも。
私の見ていたオルドは、
幸せそうに見えていたよ」
蔦模様が涙を拾い上げた。
それが昨日。