Eno.7 禍津神陽 セトの日記

船旅は 順調と言えよう。
何事も無く。滞りも無く。憂いも無く。

海の荒れも 天の荒れも 嘘のように無い。


船の上で 金貨の勘定を 済ませられる程 。
結果は変わらず。何度も 執拗に数えるのが良い。
こちらが 全て 俺たちの手に在る事が 心地良い。

カニちゃんらが 我々を笑顔で見つめて居た。

小さく 愛らしいものだ。
何だ。金貨が欲しい訳でも 無さそうである。
世話になった為 欲しいのなら 差し上げるが。

そういう風では 無いのだろう。



勘定の最中。
空ちゃんが クッキーを 手渡して下さる。
トトと 俺たちと 食べる約束を していたと。

俺たちは 友愛のお零れを 頂いて居る。
有難い事だ。


俺たちは 兵器である。
食糧の接種が無くとも 活動可能な 兵器である。
ただ 現在 こちらの肩書きには 偽りが有る。

こちらは 唯 接種のみが目的では 無い。
空ちゃんと トトが 笑い合って居る。


優しく甘い クッキーを 皆で頂いた。


小さな菓子では あるが 気分が良い。
空ちゃんの希望で カニちゃんらも 共に。

活動の備えは 多く有る程 心を豊かにする。
俺たちは 暫時 心穏やかである。


我々の船旅は 望ましいものだ。
美しく 赤く輝く水平線に 陽が沈んでいく。



俺たちは 命ある限り 決して。
この 美しい7日間を 忘れは しない。