トトの手記25
船に揺られ少し経っただろうか、各々考え事に耽っているのか船内は静かだ。
そういう僕も、沈みきったであろうかの島、レムリアの方角をぼんやりと眺めながらこれからについて考えていた。
国に戻ってからはきっと慌ただしい日々を送ることになるであろう。
まずは我々の無事を伝え、船への細工や遭難についての報告を行い、計画者と実行者を探し出し罰さねばなるまい。まあ、大体どの者がこんな馬鹿げたことをしでかしたのかは見当はついているのだが、全く、貴族として恥ずかしくはないのだろうか?王の臣下であるというのに、その配偶者である僕と国の象徴とも言えるセトを、目先の利益のためだけに暗殺しようなどなんとも愚かで嘆かわしいことである。
我が国に、我が王に泥を塗るような者がこれからも平和に暮らし続けるなどあってはならない。痴れ者には罰を与えなければ、自身の起こした行動が一体どれ程のものであったのかを理解することはできないのだから。
次に、今回の漂流譚の執筆にも取り掛からねばならない。あの奇妙な島の生態系から、出会ったすべての生物のことをまとめるのだ。彼らにはきっとこの本を読む機会は訪れないであろうが、こうして形に残しておくということが大切であろう。そこに記しておけば形に残るのだから、名が残るのだから、あの日々が夢幻ではなかったという証明になるのだから。興味がないと途中で読むのをやめてしまったあの島の伝承……については、まあ良いであろう。僕が今回書き記したいのは海底神殿の謎ではないのだから。いつか児童向けの作品を手掛けるときに参考にするのは面白いのかもしれないが。
あとは、そうだね。長いこと留守にしたお詫びをオーランにしなければなるまい。
彼はきっと、僕たちが生きて戻ると信じて待ってくれているはずで
あるのだから。土産話も贈り物も用意したが、それよりも今は彼を抱きしめて労ってやりたい。一人にさせてしまったことを謝りたい。そして、彼の温もりを感じたい。彼はこの島での生活を聞いたら、驚くであろうか?僕が労働に勤しんでいたと知ったら笑うだろうか?今から、君に話すのが待ち遠しいよ。もう少しだけ待っていておくれ。
ーー追記ーー
船の中で空と約束した通りクッキーを食べた。三人と二匹でのお茶会は何とも優雅であったね、なんといっても海上という何とも素晴らしいロケーションだったもの。
あの時食べたものよりも何だかとても美味しく感じたよ、最期の時まで美しく素晴らしい思い出をありがとう。
あとはもう国へ帰るだけである。
もうすぐ僕たちの航海は終わりを迎えるのだ。
そういう僕も、沈みきったであろうかの島、レムリアの方角をぼんやりと眺めながらこれからについて考えていた。
国に戻ってからはきっと慌ただしい日々を送ることになるであろう。
まずは我々の無事を伝え、船への細工や遭難についての報告を行い、計画者と実行者を探し出し罰さねばなるまい。まあ、大体どの者がこんな馬鹿げたことをしでかしたのかは見当はついているのだが、全く、貴族として恥ずかしくはないのだろうか?王の臣下であるというのに、その配偶者である僕と国の象徴とも言えるセトを、目先の利益のためだけに暗殺しようなどなんとも愚かで嘆かわしいことである。
我が国に、我が王に泥を塗るような者がこれからも平和に暮らし続けるなどあってはならない。痴れ者には罰を与えなければ、自身の起こした行動が一体どれ程のものであったのかを理解することはできないのだから。
次に、今回の漂流譚の執筆にも取り掛からねばならない。あの奇妙な島の生態系から、出会ったすべての生物のことをまとめるのだ。彼らにはきっとこの本を読む機会は訪れないであろうが、こうして形に残しておくということが大切であろう。そこに記しておけば形に残るのだから、名が残るのだから、あの日々が夢幻ではなかったという証明になるのだから。興味がないと途中で読むのをやめてしまったあの島の伝承……については、まあ良いであろう。僕が今回書き記したいのは海底神殿の謎ではないのだから。いつか児童向けの作品を手掛けるときに参考にするのは面白いのかもしれないが。
あとは、そうだね。長いこと留守にしたお詫びをオーランにしなければなるまい。
彼はきっと、僕たちが生きて戻ると信じて待ってくれているはずで
あるのだから。土産話も贈り物も用意したが、それよりも今は彼を抱きしめて労ってやりたい。一人にさせてしまったことを謝りたい。そして、彼の温もりを感じたい。彼はこの島での生活を聞いたら、驚くであろうか?僕が労働に勤しんでいたと知ったら笑うだろうか?今から、君に話すのが待ち遠しいよ。もう少しだけ待っていておくれ。
ーー追記ーー
船の中で空と約束した通りクッキーを食べた。三人と二匹でのお茶会は何とも優雅であったね、なんといっても海上という何とも素晴らしいロケーションだったもの。
あの時食べたものよりも何だかとても美味しく感じたよ、最期の時まで美しく素晴らしい思い出をありがとう。
あとはもう国へ帰るだけである。
もうすぐ僕たちの航海は終わりを迎えるのだ。