Eno.809 黄鵞ハトリの日記

闘鴨の書:二十一の巻

いざ船の上で過ごしてみると、島のように広く探索できる場所も無し。
資材が足りないと思っても集めることはできぬ。持ち込める資材も多くなく、作れるものが限られてくる。
勿論、必要分の物資は確保されている。それ以上の…いわゆる、暇つぶしの話だ。
安全でこそあるが…島であくせくと作業をしていた時の感覚が染みついたか、何かを集め、作りたくなってきてしまう。
あまりマツド殿をとやかく言えんかもしれん。

手すさびに、持ち込んでいた紙を使って折り紙を折ることとした。
このような手作業をしている時というのは、やはり落ち着く。作業の感覚が染みついているのとはまた別の話だ。
アヒルの折り紙を折っていたところ、ロクロ殿に話しかけられた。
興味がありそうにしていたので、折り方を教えることとした。

1人で折っていてはすぐに出来上がってしまうのだが、歓談交じりに人に教えるとなると、ゆるりとした時間が流れゆく。
折りながら、折り紙もアヒルバトルも、何にしても、何度も練習し上達していくものだ…などという話をした。

お互いに、求める景色はまだ遠い。
元の地に戻った後も、またいつかロクロ殿と相まみえる機会はあるだろう。
その時は今よりも強くなった姿をお見せしたい。同時に、今よりも強くなった姿を見せてもらえることも期待しよう。