魔王
この世界には、勇者と魔王がいる。
魔王は幾人もの勇者を倒し、君臨し続けていた。
魔王軍の侵攻は、誰にも止められないように思われていた。
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マジで?
いや……赤ちゃんあざらしじゃん……
白まんじゅう……ぽっちゃりビーバーがよ……
魔王軍に所属していたことがありながら、
ろくに姿を見たことすらなかった魔王とやらは。
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小っちゃくて。
遠慮がなくて。
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やたら意地っ張りで。
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怖がられることを恐れていて。
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ちょっとワガママで、でもたくさんの人に愛されている、
至って普通の心優しい女の子だ。
魔王に傷をつけられるのは、勇者の聖剣のみ。。
真っ向から戦えば、俺はその爪にすら届かないかもしれない。
それでも。俺には、俺だけにしかできないことがある。
魔王の力の鱗片、圧倒的な暴威を目撃しても。
その真の姿が邪神の肉体から生まれた化物であっても。
俺にとってはかけがえないひとになっていた。
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昔から、救うだとか助けるだとか、そういうのが好きじゃなかった。
いかにも上から目線で、善人らしく振舞いたいだけだと思っていたからだ。
自分の力で何とかすべきで、あくまで少し手を貸してやるくらいでいい。
……まあそんなことも、言ってられないよな。
星の意志はあんたの中に眠る邪神を満足させたらしい。
もう、勇者の魂を喰らう必要もなくなった。
勇者は聖剣を抜き、新天地へと旅立つ。
世界は平和になろうとしていた。
これで物語はおしまい。
ほんの少しだけ、エピローグがある。
俺は魔王と呼ばれる少女と婚約した。
長く続いた勇者と魔王の戦いと、
世界救済に比べたらちっぽけなことかもしれないが。
愛する人を救うことができたなら、戦士として誇りに思う。
仕事も責任も分かち合うならばこれからはうんと忙しくなるだろう。
俺一人では正直荷が重すぎるが、ここには優秀な側近に、
精鋭の四天王(もしかしたら入れ替わるやつもいるか?)がいる。
あいつらなら上手くやってくれる。
新しい繋がりが、守るべきものが増えた。
まだまだ理解しあっていくには時間がかかるかもしれないが、
ちゃんと歩み寄って、本当の意味で家族になれたらいいと願う。
変わりゆく世の中を共に生きていこう。


魔王は幾人もの勇者を倒し、君臨し続けていた。
魔王軍の侵攻は、誰にも止められないように思われていた。
―

魔王
多くを支配し魔族の頂点に立つ魔王
人呼んで『白雪の龍人』
「クッこれ以上魚にしようとするな!
解け!なんか魔王的パワーで……」
「いやだね!
魚になれ魚になれ魚になれあわよくば大トロとか食わせろ」
マジで?
いや……赤ちゃんあざらしじゃん……
白まんじゅう……ぽっちゃりビーバーがよ……
魔王軍に所属していたことがありながら、
ろくに姿を見たことすらなかった魔王とやらは。
ぽんっ
なで…
「………………………」
「………………………?????」
「…………あの
なんか……変だ……
なんなんだこれは……」
小っちゃくて。
遠慮がなくて。
「なあ、魔王
やはりあんたは味覚がないのか……?」
「なんでわかった?
余、いってないのに」
やたら意地っ張りで。
「唐突だが 余って、こわい?」
「…余のことが怖い?」
怖がられることを恐れていて。
「いつまでも魔王ってのも野暮だ、名前は」
「………リリィ、だった、気がする。」
ちょっとワガママで、でもたくさんの人に愛されている、
至って普通の心優しい女の子だ。
魔王に傷をつけられるのは、勇者の聖剣のみ。。
真っ向から戦えば、俺はその爪にすら届かないかもしれない。
それでも。俺には、俺だけにしかできないことがある。
魔王の力の鱗片、圧倒的な暴威を目撃しても。
その真の姿が邪神の肉体から生まれた化物であっても。
俺にとってはかけがえないひとになっていた。
「魔王を、怖いと思ったことはない
お前には絶対譲らない。絶対にだ
あいつを案内するのは俺の使命だからな」
昔から、救うだとか助けるだとか、そういうのが好きじゃなかった。
いかにも上から目線で、善人らしく振舞いたいだけだと思っていたからだ。
自分の力で何とかすべきで、あくまで少し手を貸してやるくらいでいい。
……まあそんなことも、言ってられないよな。
星の意志はあんたの中に眠る邪神を満足させたらしい。
もう、勇者の魂を喰らう必要もなくなった。
勇者は聖剣を抜き、新天地へと旅立つ。
世界は平和になろうとしていた。
これで物語はおしまい。
ほんの少しだけ、エピローグがある。
俺は魔王と呼ばれる少女と婚約した。
長く続いた勇者と魔王の戦いと、
世界救済に比べたらちっぽけなことかもしれないが。
愛する人を救うことができたなら、戦士として誇りに思う。
仕事も責任も分かち合うならばこれからはうんと忙しくなるだろう。
俺一人では正直荷が重すぎるが、ここには優秀な側近に、
精鋭の四天王(もしかしたら入れ替わるやつもいるか?)がいる。
あいつらなら上手くやってくれる。
新しい繋がりが、守るべきものが増えた。
まだまだ理解しあっていくには時間がかかるかもしれないが、
ちゃんと歩み寄って、本当の意味で家族になれたらいいと願う。
変わりゆく世の中を共に生きていこう。

