Eno.21 アカシア・デビルアイの日記

アヒルとの出会い

トリップ・オア・デビルは、
気づいたらオレの掌の上で佇んでいた。

いつから一緒にいたかは覚えていない。
相棒と呼べるほど、お互いを知っているわけでもない。

冷たい水の上に浮かべると穏やかに羽を広げて、
他のアヒルを見つけると、挨拶代わりにまっすぐ見つめる。
何時だって眠たげに、瞳は閉じたまま。

バトルを見守る姿勢も物静かだけれど、
オレにはどこか、仲間を応援しているように見えた。

そのうちオレも一緒に、アヒルバトルを応援するようになっていた。
熱くて先が読めなくて、まるで夢のような戦場を気に入っていた。



もしも島に流されてから、今までの時間が夢だとしても
必ず記憶を船の先から現実へと繋げてみせる。

大切な出会いが、思い出が消えない約束を。
自分自身に契約を結ぶのだ。

それが悪魔の本業だから。