Eno.35 レナード・ニューマンの日記

無事に帰還して

て、手紙も剣もあった~!!


森に帰ってきてからの第一声!
手紙も剣もなくしたら仕事が成り立たない!
どうか元の世界に落ちていてくれ、と願っていたのであった。
叶ったぜ! やった~!

*キューキュー*


「ええ、あの四人が、異世界でできた友人です。
 四人ともいい人たちでした、たくさん助けられて……」


「あの四人がいたから、俺はなんとか生き延びられました。
 一人じゃ夜の森に入るのも一苦労だったでしょうから」


*キューキュー*


「……ええ、もちろん。
 帰らなければ、と自分に言い聞かせていました。
 仕事がなければ、ずっとあのまま、俺も船に乗っていたかもしれません」


*キュイ!*


「大丈夫です、そう簡単に仕事は捨てません。
 村とあなたをつなぐ大事な役目。俺自身がよく知っています」


コウモリはくるくるとあたりをしばらく旋回していたが、
やがて館への道をたどって飛んでいく。

「手紙が落ちていたということは、ナガサレてからそこまで日数は経過してないのか?
 定期配達まで三日だったから、たぶん三日とか、そのくらい……」


「主はテキトーだが、俺のことを大事にしてくれないわけではないし。
 定期配達にも来ないから、心配してくれたんだろうな」


「…………」


やばい!!
 母さんたぶんその10倍は心配してる!!!


慌ててコウモリの後を追う。
その後ろ姿を、森の動物たちが不思議そうに眺めていた。

*キュイ?*


「え? ああ、服は動物にやられて……」


*ギギッ!!*


「違います、主の森の動物じゃないです!!
 シマの森の動物にやられて……!!」


*キュ?*


「シマっていうのは……ええと。
 ……あとでまとめてお話します!」


今はベッドで休ませてください……
 丸々三日は寝たいです……!!!


切実さが伝わったのか、コウモリはそれ以上は何も言わず。
若干めそっとなりながらも、その後を追う青年の足取りはしっかりと。

懐に大事にしまわれたシーグラスと、
服に付いた傷たちが、シマの出来事は夢ではなかったと教えてくれる。

いまはゆっくり休んで、眠って。
起きたらきっと日が沈むころ。


「……え? 衣装の修繕代?
 ……こ、これから稼ぐぞ……!!!」


やっぱり財宝、持って帰ってくるべきだったかな……
こればっかりは後悔したそうです。