無事に帰還して
「て、手紙も剣もあった~!!」
森に帰ってきてからの第一声!
手紙も剣もなくしたら仕事が成り立たない!
どうか元の世界に落ちていてくれ、と願っていたのであった。
叶ったぜ! やった~!
*キューキュー*
「ええ、あの四人が、異世界でできた友人です。
四人ともいい人たちでした、たくさん助けられて……」
「あの四人がいたから、俺はなんとか生き延びられました。
一人じゃ夜の森に入るのも一苦労だったでしょうから」
*キューキュー*
「……ええ、もちろん。
帰らなければ、と自分に言い聞かせていました。
仕事がなければ、ずっとあのまま、俺も船に乗っていたかもしれません」
*キュイ!*
「大丈夫です、そう簡単に仕事は捨てません。
村とあなたをつなぐ大事な役目。俺自身がよく知っています」
コウモリはくるくるとあたりをしばらく旋回していたが、
やがて館への道をたどって飛んでいく。
「手紙が落ちていたということは、ナガサレてからそこまで日数は経過してないのか?
定期配達まで三日だったから、たぶん三日とか、そのくらい……」
「主はテキトーだが、俺のことを大事にしてくれないわけではないし。
定期配達にも来ないから、心配してくれたんだろうな」
「…………」
「やばい!!
母さんたぶんその10倍は心配してる!!!」
慌ててコウモリの後を追う。
その後ろ姿を、森の動物たちが不思議そうに眺めていた。
*キュイ?*
「え? ああ、服は動物にやられて……」
*ギギッ!!*
「違います、主の森の動物じゃないです!!
シマの森の動物にやられて……!!」
*キュ?*
「シマっていうのは……ええと。
……あとでまとめてお話します!」
「今はベッドで休ませてください……
丸々三日は寝たいです……!!!」
切実さが伝わったのか、コウモリはそれ以上は何も言わず。
若干めそっとなりながらも、その後を追う青年の足取りはしっかりと。
懐に大事にしまわれたシーグラスと、
服に付いた傷たちが、シマの出来事は夢ではなかったと教えてくれる。
いまはゆっくり休んで、眠って。
起きたらきっと日が沈むころ。
「……え? 衣装の修繕代?
……こ、これから稼ぐぞ……!!!」
やっぱり財宝、持って帰ってくるべきだったかな……
こればっかりは後悔したそうです。