Eno.36 巳々 琉海の日記

警部補巳々琉海の悔

 
たった、7発だった。
悔やむには少なく、惜しむには足りない数だった。

──────────────────────────────────────────
ヴィルヘルムはその人生を狂院で終えた。
          <アーペルおよびシュルツェ著『Gespensterbuch』録『Der Freischütz』の結末>
──────────────────────────────────────────
 
おれは、その後悔を
 
 もう出来ない。
 
 
 違反者、巳々琉海。
 彼方おまえには怖れる刻も無く、悔恨の余地も無い。
 識らせた筈である。約束は約束、彼方はそれを破った。

 〝何れにせよ、明日、地獄の入り口で〟

 彼、亦は彼方の何方かである――確と云い聞かせた。
 如何な決意の許に有ろうと、7発に手を掛けたならば、
 既に、銀の弾丸はない。

 主の名に於いて、彼方を頂戴する。アァメン。
 わたしを喚ぶもの、祈りであるなら。

 ……

 吾と旅す14、併せ17の嘗てよ。
 巳々琉海に懸けて、
 また、ザーミエルの名に於いて。
 のろわれてあれ。

 七曜を越えず。
 無縁、二度と御免被る。

 銀の弾丸は此処に逢った。




 
 

 助けてくれ

 

 まだ