Eno.378 白波の眷属の日記

最後のささやき

船に積まれた荷物の中の貝殻を耳に当てると、かすかに呟く声が聞こえる。

「ねえ、きみ」



「あのかたってだれなのか、わからないけど」
「どんなゆるしてもらえないことがあったのか、わからないけど」



「もうなかないで」「だいじょうぶ」



「ぼくもてつだうから、
 いっしょにがんばっていこう」



「きっといつか、なくのをやめてよかった、
 がんばってよかったなあって、おもえるようにしてみせる」







「まずは、あまくておいしいものをたべよう!」
「かなしいきもちが、ちょっときえていくよ」